相続税の対策にもなる?「一時払い終身保険」の販売社数が少なくなっている理由とは

一時払い保険とは

平成28年に入ってから「一時払い終身保険の保険料が値上がりしている」「保険会社が販売停止に踏み切った」といった報道がさかんにされました。

これは保険の売れ行きが問題なのか、それとも他に事情があるのか?と疑問に思った方もいるかと思います。

今回は一時払い保険の特徴や注意点などを詳しく紹介しているので、是非参考にしてください。

一時払い保険とは

一時払い保険とは

一時払い保険は、契約した後一括で保険料を払うのが特徴です。

国民年金保険の前納やその他のサービスの支払いでもそうですが、一括払いは安くなるというメリットがあります。

そのメリットを生かした保険ではありますが、注意しなくてはいけないこともあります。

 

低金利で運用が難しい

低金利で運用が難しい

バブルの時代など高金利の時代に契約した保険であれば、一時払いであれ通常の終身保険であれ大きな利回りが保証され、払った保険料より貰う保険金の方が上回ります。

しかし、その後長らく日本は低金利の時代に入りました。保険会社は保険料収入を責任準備金として保有し、運用は国債をメインに行います。

そのため、最近では運用益をあげるのが厳しくなってきていて、生命保険の保険料は事業の運営費や年齢性別ごとの死亡率、利率などをみて決められます。

 

一時払い保険については、ある時期に一括で保険料を貰うので、その時の運用環境によっては保険商品を売っていくのが厳しくなることが考えられます。

そこで生命保険会社は保険事業を維持するために、保険金の支払額(保障額)を抑えたり、保険料を多くとることになります。

日本生命は平成27年に一時払い終身保険の保険料値上げを行いました。日本銀行の金融緩和を受けて、予定利率を0.05%引き下げたのが原因です。

 

その後、平成28年に日銀のマイナス金利政策が導入されてからは、運用環境はさらにより一層厳しいものとなりました。

値上がりした国債の売却等を行えば運用益を確保できますが、新たに購入する国債の値段は高くなりますし、予定利率の引き下げだけではうまくいかない保険会社も中には出てきています。

日本生命・明治安田生命などは、平成28年に一時払い終身保険を販売停止してしまいました。

保険というものは必ずしもニーズだけで販売を決めるわけではないので、こういった採算割れが原因で値上げや販売停止になることがあるのです。

 

一時払い終身保険に需要はあるのか?

一時払い終身保険に需要はあるのか?

では、一時払い終身保険のニーズ自体はあったのでしょうか?

一時払い終身保険の販売停止は運用環境が原因ですが、平成26年と27年の契約数を比べると契約自体は27年が26年を上回っているので需要自体はあったと言えます。主に相続税対策ということでニーズはありました。

平成27年以降の相続からは、相続税の計算にあたって純財産額から差し引かれる基礎控除額が引き下げとなりました。

死亡保険金に関しては死亡者が契約して支払い、保険金を相続人が受け取る契約になっているのであれば、法定相続人1人あたり500万円の非課税枠があります。

そのため、一時払い終身保険に加入することで現預金を減らし、保険金がおりても非課税になるということで相続税対策になるのです。

 

しかしながら、相続税対策で活用できる時期に販売停止になるという残念な事態になってしまいます。

保険というのは運用が伴いますので、昨今のように「劇薬」とも言われる金融政策で運用環境が変わると、このようなことも起こりうるのです。

 

一時払い終身保険を契約する場合の注意点

一時払い終身保険を契約する場合の注意点

相続税対策には好評の一時払い終身保険ですが、デメリットにも気をつける必要があります。途中解約をする場合は元本割れする可能性が高いということです。

契約して保険料を払った結果、自由な手元資金が少なくなってしまうようなパターンはおすすめできません。

手元資金を確保しようと解約した場合は損になりますし、所得税や住民税の課税対象となります。この点はよく考えて契約しましょう。

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