ドコモはこの度、法人向けにカメラを非搭載の携帯電話「SH-03H」を販売開始する事を決定しました。
ドコモの法人向けストアで販売されますが、個人名義でも購入が可能となっています。
セキュリティに特化した「ガラホ」
SH-03Hはシャープが製造し、ドコモが法人向けに提供するandroid4.4を搭載したフィーチャーフォン、俗に「ガラホ」と呼ばれる端末です。
カメラ非搭載で遠隔操作、監視が可能な安心マネージャー対応し、その他にもSDカードの暗号化など、法人向けとしてセキュリティに特化した作りになっています。
特にカメラ非搭載というのは情報流出対策で、カメラ付き携帯電話の持ち込みが不可能な工場や個人情報を管理する人間などにとって意外と重要な要素であり、個人向け利用よりも法人向け利用を中心に考えて設計されていることが分かります。
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防水・防塵の機能も搭載
SH-03Hは工場など過度なビジネスシーンでの利用を念頭にしているため、防水・防塵機能を搭載しています。
その他の基本スペックとしてQHDのメインディスプレイに有機ELのサブディスプレイ、連続待ち受け時間600時間を超える1,410mAhのバッテリーに電池残量や時刻で設定できる省エネモード搭載など、ビジネスで使いやすいように設計されています。
またガラホではおなじみのタッチクルーザーやBluetooth、音声メモ機能などビジネスで使う際に必要な機能には一通り対応しています。
「機能が無い」が売りのセキュリティ
この機種の最大売りは「カメラ機能が無い」という物です。
カメラ機能が無いというの通常であればデメリットにしかならないのですが、工場やビジネスの分野で機密情報対策のために、カメラ付き携帯電話の持ち込みを禁ずる会社は多く存在します。
携帯のカメラで個人情報を撮影し持ち出した事件なども現に起こっており、個人情報の保護や機密情報の保護の為にこういった規則が存在するのですが、そう言った場面でも通話を可能にするという利用方法が念頭に置かれています。
他にもセキュリティ対策として、Wi-FiやLineを初めとするSNSアプリ・ワンセグ・Google Playなどに非対応と「機能が無い」事がポイントの機種です。
セキュリティ対策としてはその他にベールビューというのぞき見防止のフィルターをかける機能や、紛失に備えてSDカードの暗号化機能、遠隔操作による携帯の利用や機能の停止、他にも管理者による業務外利用やセキュリティ違反の監視が可能となる安心マネージャーにも対応しています。
法人だけでなく個人でも購入可能
SH-03Hは全国のドコモ法人営業に申し付けるほか、ドコモショップ店頭や量販店でも購入できます。
また法人向けとはなっていますが、個人名義でも購入は可能です。
徹底的に機能がそぎ落とされており、デザリングどころかWi-Fi機能までない仕様なので、個人での需要がどの程度あるかは正直判りませんが、「複雑な機能はいらないから通話だけ出来れば良い」という方は注目してみても良いかもしれません。
SH-03Hから見る「android4.4搭載のフィーチャーフォン」と「ガラホ」
SH-03Hはある意味今後のフィーチャーフォンやガラホのあり方の一つになる携帯になるかもしれません。
現在のガラホの多くは「ガラケーの進化形」としてWi-Fiやデザリング、各種アプリやSNSの対応を売りにしています。
しかし、多くのガラホはGoogle Playに未対応など「Android搭載スマホ」に比べれば不満点が多く、多機能がいらないガラケーユーザーとしても評価しにくい物でした。
一方で、ガラケーは市場の縮小などから年々需要が減り、OSも部品も次世代機に特化した方向に向かっており、新製品どころか開発も危ぶむ声が上がっています。
そこでSH-03Hのように「OSはandroidだが低機能で実質ガラケーと変わりがない」というのは、まだ根強くいるガラケーユーザーの需要を受け入れる一つの選択肢になりうるのではないでしょうか。