「時をかける少女」「サマーウォーズ」「おおかみこどもの雨と雪」そして最近上映された「バケモノの子」など、どれも細田守監督の作品は面白いものばかりで、全ての作品を観た!という方も多いのではないでしょうか。
僕も全て見たのですが「どの作品が一番好き?」と周りの友達に聞いてみると、好きな作品がみんな違っているんですよね。
今回は好きな作品を順位付けして、それぞれの作品の好きなシーンや感想・考察などを書いていきます。
僕の個人的な感想なので「自分の好きな作品はこれだなー」といった感じで見てください!
好きな作品4番目「サマーウォーズ」
サマーウォーズが一番好きという方も多いと思うのですが、僕的には4番目の順位となりました。
どの作品も面白くて大差がある訳ではないのですが、サマーウォーズは「最初から最後まで淡々と見る事ができた」作品でした。
映画を「面白い」「好き」と感じる部分や定義は人によって違うと思います。
アクションが派手であればある程面白いと感じる方もいますし、話の展開や脚本で判断する方もいると思います。
僕が面白いと作品だと感じるポイントは『どれだけ衝撃的であったか』ということで、感動であったりアクションであったり何でもいいのですが、その映画がどれだけ衝撃的で心に残ったかということが、自分の中で重要だったりします。
そういったことからサマーウォーズは、「ばぁちゃんの人脈スゴいなー」「翔太(スーパーコンピューターを冷やす氷を持って行った警察官)戦犯すぎ!」と思ったくらいで、物語もハッピーエンドに終わり「普通に面白い作品」というのがこの映画を観た感想でした。
この映画の象徴とも言える家族との繋がりや、夏の田舎の風景が個人的に好きな描写です。
おおかみ子供の雨と雪でも感じたのですが、細田守監督の作品は自然豊かなシーンだったり風景が多く描かれていますよね。
好きな作品3番目「バケモノの子」
順位がつけられないくらい悩んだのですが、3番目が「バケモノの子」です。
自分が人間かバケモノであるかという葛藤や、九太の成長と熊徹との関係など内容の濃い作品でした。
楓の「誰しもみんな心に闇を抱えている」といった言葉が良いセリフで個人的に心に残っています。
どうしてこんなに自分だけ不幸なんだ・・・と思いがちですが、悩みの大きさの違いはあれど誰しもいろんな事で悩んでいるんだなーと感じました。
そんな悩みを一人で解決するのではなく、自分を犠牲にしてでも一郎彦のことを助けようとした九太や、九太を助けるために心の剣となった熊徹など、大きな優しさが描かれていた作品です。
熊徹が九太の心の剣となり、「俺のやること、そこで黙ってみてろ」と言う九太に対し、「おう、見せてもらおうじゃねぇか」という熊徹との掛け合いがありますが、元々はこのセリフは無くて後から追加されたものというのをテレビで見ました(プロフェッショナル仕事の流儀で細田守監督が仰っていました。)
ちょっとした部分ではありますが、このセリフがあるのと無いのではかなり印象が違うものになっていたと感じます。
もしこのセリフが無かったとしたら、別れの言葉も言えずいきなり消えてしまった熊徹に対して悲しくて寂しい印象を受けますが、このセリフのかけあいがあることで、いがみあっていた二人が素直に認め合い、九太と熊徹が対等な関係で物語が終わっていく印象を受けました。
バケモノの子は3番目となりましたが、映画を見終わった後にもう一度見たいと思った作品です。
好きな作品2番目「時をかける少女」
時をかける少女はかなり衝撃を受けた作品でした。
物語で重要となるテレポーテーション能力の「タイムリープ」ですが、実際使ってみると良い事ばかりだけでなく悪い事もたくさん起こってしまいます。
知りたくない事を知ってしまったり、悪い過去を変えて助けようとしたつもりが、他の誰かが変わりに傷ついてしまったりと、良い事よりも不幸な事の方が多く起こっていましたね。
この作品には男女の友情も描かれていて、その友情がちょっとしたことで崩れてしまいます。
男女の友情なんてあり得ない!なんてよく言われますが、「友達として好き」という気持ちが、いつの間にか「異性として好き」に変わってしまい、それをきっかけとして友情にヒビが入ってしまうんだなーと、かなり切ない気持ちになる作品ですね。
時をかける少女を見ると、夏休みの最終日の様な憂鬱な気持ちになってしまうのですが、作中に出てくる黒板の英文「Time waits for no one.」が有名ですよね。
調べてみると「時は待ってくれない」といった感じの意味ですが、誰しも経験があるように楽しい出来事があると「このまま一生続いてくれたら」と思うものですが、英文の様に「時は待ってくれない」わけで、楽しい出来事にもいつしか終わりが来てしまいます。
「楽しい時間はいつか終わってしまうけど、友達や好きな人といた時間は一生記憶に残る」と勝手に解釈しています。
憂鬱な言葉の様に思えて意外と前向きな言葉なのかなーと感じました。
好きな作品1位「おおかみこどもの雨と雪」
「おおかみこどもの雨と雪」はめちゃくちゃ好きな作品で、かなり衝撃を受けた作品です。
ハッピーエンドな終わりの様で、僕的にはバッドエンドな気がしました。
どちらかというと幼少期は雨が人間的で、雪の方がおおかみとして行動していましたが、成長するにつれて雨がおおかみに、雪が人間的になっていきます。
最終的には人とおおかみという、それぞれ自分の道を歩んで行く事になるのですが、僕的には「人間とおおかみ半々」の人生があっても良いのではないかと思いました。
映画にするにあたって、おおかみか人間のどちらかを選んで生きていくというストーリーにしなくてはいけないと思いますが、時々人間、時々おおかみという生き方があっても良いじゃん!と感じました。
自分の道を見つけ生きて行く事は素晴らしいことですが、成長した雨と雪が母である花の元を離れて行く様は、見ていて結構つらかったです。
また住んでいるところが田舎ということもあり、残された花が際立っているように感じました。
人の多い都会の街であればここまで悲しく表現できないと思いますが、自然に囲まれた田舎だったので花の孤独感が強く表現されていました。
父親が生きていれば、全く違ったストーリーだったでしょうね。
細田守監督の作品はどれが好き?と聞かれたら「おおかみこどもの雨と雪」と答えるのですが、知り合いの順位付けによると「おおかみこどもの雨と雪」は4番目でした。
逆に僕が4番に挙げた「サマーウォーズ」が1番目に好きな作品だったようで、見る人によってここまで評価だったり感想が分かれる映画はあまり無い様に思います。
バケモノの子が上映されたばかりですが、早くも次回作が見たい・・・。