格安SIM事業者として有名なインターネットイニシアティブ(IIJ)が先日、MVNO(格安のSIMを提供している事業者の事)に関する記者勉強会を開催しました。
そこで、なぜMVNOが低価格で提供できるのか、今後どうなっていくのかなどの展望を述べられていましたが、そのなかで何故MVNOが事業を拡大しているのか?という理由を説明されていました。
最も大きい理由の一つは、大手キャリア3社(au・ドコモ・ソフトバンク)のサービス内容が横並びで競争が進まないという事態において、総務省が業を煮やしMVNOの参入をたきつけて、料金競争に3大キャリアを巻き込もうという動きがあるからだという話でした。
通信事業者の販売競争を加速させるためのMVNO?
簡単に言うとau、ドコモ、ソフトバンクは協調的寡占に入ってしまっているという事で、これを大きく動かそうという空気が社会的にあるということです。
つまり今後MVNOは増えていくかもしれませんが、それは大手三大キャリアの重い腰をあげさせるためだという話なわけです。
そうなってくると、大手3社キャリアも大きく値下げしてくるかもしれません。
あるいは、制限の多い低価格プランが登場するのかもしれません。
いずれにしてもガラケーが普及していたころと比べて、通信費用は2倍以上に膨れ上がっているわけですから、今は異常な料金形態と言えます。
確かに開発費やシステムの構築にお金がかかるかもしれませんが、「月額料金が高すぎる」という声はいまだに止みません。
大手三大キャリアが値下げを始めたら良い事ばかりではない?
月額料金が安くなるのは確かに魅力的ですが、SIMフリースマホが主流になってきてしまうと、キャリアとの契約とスマホの購入が別になってしまうので、スマホ本体価格を割引するサービスはなくなってしまうかもしれません。
現在のMVNOのように回線契約と本体セットのプランも登場するかもしれませんが、あれらが安いのは割引サービスではなく、そもそも本体価格が安いスマホを金利0で分割払いしているだけです。
つまり今後、iPhoneやXperiaはより高価なスマホとして扱われていき、入手が難しくなる恐れがあります。
結局、通信費と契約料金が安くなっても端末代が高くなるのでは「これからどんどんスマホ代が安くなるぞ!」とは言えませんね。
月額使用料7000円で機種代3000円だったのが、月額使用料4000円で機種代6000円という感じになってしまうかもしれません。
ただ、この場合機種代を払い終えればかなり安く済むので、1年や2年おきにスマホを変える人が一気に減るという事になるでしょう。