沖縄県の最西端にある与那国島の海底遺跡は世界的に知られていて、いまや世界中から大勢のダイバーが集まってくるダイビングスポットです。
しかし、日本の海底遺跡は与那国島の海底遺跡だけではありませんでした。今回は日本全国の海底遺跡についての情報をまとめてみました。
海底遺跡といったら与那国島
いまやスキューバダイビングで海底遺跡に行くと言ったら、沖縄県の与那国島の名前しか出てこないくらい、知られるようになりました。
与那国島海底遺跡は単なる自然地形という説もあるのですが、通路や階段など人工物のように見えるので、自然地形を加工した古代遺跡説が有力視されています。
もし人の手が加わった遺跡とすれば、海水面が低かった1万年~数千年前のいずれかの時代に、人間が岩場を加工して造られたことになります。沖縄の先住民の権力者が居住していた跡なのでしょうか。
出雲の日御碕の海底遺跡
出雲は日本を代表する神話の土地ですが、島根半島の西の日御碕(ひのみさき)の近くにも海底遺跡ではないかと指摘される場所があります。
日御碕は流紋岩の侵食された地形であり、柱状節理と呼ばれる柱が集まった不思議な岩の地形も見られる場所です。
日御碕神社は出雲の神話の土地に古くから鎮座して、天照大御神をまつっています。
すぐ近くの日御碕灯台は1900年(明治33年)に建設が始まった歴史ある灯台で、世界灯台100選にもなっています。
日御碕灯台の北側の海の底に海底遺跡と呼ばれる場所があります。階段状になった場所、通路や祭祀場のように見える岩場など、海底には人間が加工したような跡が何カ所か見られます。
日御碕神社がすぐそばにあって、日本神話の舞台であることから、かつて地上の聖地だった場所が海底に沈んだのか?ともささやかれているのです。
青森にもあった?海底遺跡
近年になり、青森県の西の海底にも海底遺跡らしき場所が見つかっています。海底には人間が加工したとみられる岩が多数沈んでいたのです。
1万年前に海水面が低かった頃の、縄文人の巨石文明の跡ではないかと指摘されています。
まだまだある海底遺跡
日本の海域の面積は世界有数の広さを誇るということもあり、日本の海底遺跡はかなり多く見つかっています。
長崎県の鷹島沖(たかしまおき)には元寇の船が沈んでいますし、小値賀島(おぢかじま)沖には中世の交易船が沈んでいるのが確認されています。
今後海底の調査が進めば、こうした遺跡の数は数え切れないほと出てきて、地上だけでは分からない古代の謎も海底遺跡によって判明されることもありそうですね。