年金受給資格期間の計算で注意したい「カラ期間」の影響とは?

ねんきん定期便のチェックを

年金受給資格期間10年に短縮する年金機能強化法改正案が平成28年11月に可決しました。

10年でも達しないと諦める前に注意した方がいいのが「カラ期間」と呼ばれる期間があるかどうかです。

カラ期間にあたるのは?

カラ期間にあたるのは

カラ期間の意味は年金受給資格期間には含まれるが、年金額には反映されない期間のことを指します。主に以下の期間がカラ期間(正確には合算対象期間)にあたります。

1.昭和36年3月までであれば、厚生年金や共済年金に加入していた期間で昭和36年4月1日以後も引き続いているもの

2.昭和36年4月以後であれば様々なものがありますが、主には下記の期間
・厚生年金・共済年金加入者の配偶者で国民年金に任意加入していない期間
(昭和61年3月まで)
・海外居住している期間(昭和61年4月以降はさらに国民年金に任意加入していない期間)
・学生で国民年金に任意加入しなかった期間(平成3年3月まで)
・20歳未満や60歳以上で厚生年金等に加入していた期間
・任意加入中で保険料未納の期間

 

年金制度の変遷

年金制度の変遷

このような合算対象期間が設けられたのは、年金制度の変遷と関係があります。

昭和36年4月には国民皆年金制度が導入され、それまで年金は任意の加入でした。そのため、それまで厚生年金等に加入した期間はカラ期間とされています。

その後の昭和61年4月には基礎年金制度が導入されましたが、それ以前には専業主婦は任意加入により国民年金に加入していました。そのため専業主婦が任意加入していない期間がカラ期間の扱いとなりました。

平成3年には、学生を含めて20歳以上で強制加入となりましたが、こちらもそれまでは任意加入により国民年金に加入していました。任意加入していない期間はカラ期間となりました。

なお平成11年には学生納付特例が設けられ、本人の所得によっては免除が受けられます。

 

老齢基礎年金計算におけるカラ期間の取り扱い

老齢基礎年金計算におけるカラ期間の取り扱い

老齢基礎年金の計算式は780,100円(平成28年)×納付月数/480月となっています。納付月数は、通常の納付ではそのまま反映されます。

4分の1だけ免除した月数には7/8をかけ、半額免除の月数に3/4、4分の3だけ免除の月数に5/8、全額免除の月数には1/2、カラ期間の月数には0をかけます。

つまりカラ期間の分は納付月数に全く反映されないことになります。受給資格期間25年の中に、納付月数や免除月数と同等の扱いで入れられるだけです。

老齢基礎年金の年額80万円弱、月額は6万円程度なので生活するのには苦しいとは言われています。上記の算式によって、免除期間やカラ期間があればそれより減らされます。

 

国民年金の任意加入によって、齢基礎年金額を増やすことが可能です。この任意加入は2種類あり、65歳までの(原則の)任意加入であれば増やす目的でもできます。

65歳以降の特例の任意加入は受給資格期間が25年あると利用できません。これが10年に短縮されると、特例の任意加入を使いたくても使えなくて困る人が出てくることも考えられます。

 

ねんきん定期便のチェックを

ねんきん定期便のチェックを

以上カラ期間について説明してきましたが、年金制度の変遷を踏まえているためカラ期間の要件は複雑です。また保険料免除期間は4種類もあり、計算に与える影響はさらに複雑です。

しかし、現在ではねんきん定期便や特別便を見れば、カラ期間の他にも保険料納付済期間や保険料免除期間がどれだけの月数あるかが分かるようになっています。

年金記録問題があったので場合によってはこれまでの加入状況から考えて、おかしな納付記録になっていることも考えられます。疑問に思った場合は年金事務所で相談し、納得のいく説明を受けるようにしましょう。