最近テレビでの露出も多くなっている芥川賞作家の羽田圭介さんが愛用しているという事で少し話題になった、電子メモ帳の「ポメラ」というガジェットがあります。
これは大変人気を博したアイテムなのですが、その後継機として「ポータブック」というノートパソコンも販売されました。
今回はこの二つについて解説してみたいと思います。
デジタルメモ帳「ポメラ」とは
多くの文房具やオフィス用品を製造、販売する企業「KING JIM(キングジム)」が発売したデジタルメモ帳が「ポメラ」シリーズです。
小型の折り畳みパソコンに近い形状をしており、基本的な機能は「メモ機能」のみという割り切った仕様のデジタルメモ帳です。
メールはおろかネットにつなぐことすらできず、最新型は各種辞書やちょっとしたスケジュール機能、またBluetoothでキーボードとして使えるなどの機能も追加されましたが、基本はtextファイルを制作するメモ帳です。
最新型は縦書きや定形文機能、表制作(文字入力のみ)機能など、文章制作に特化したワープロのような仕様になっています。
スマートフォンや各種ガジェットが溢れている現代においてこんな機器が売れるのかと思う方も多いでしょうが、メールやネットなど他の事が出来ないので文章制作に集中が出来ますし。
また、割り切った仕様のお蔭で乾電池駆動で丸一日は動き、起動は2秒もかからないというスマホにはない特徴があるので、何かとメモ行う必要がある社会人の方や文章制作を仕事としている方などに人気があり、今までに8つの機種が出ています。
かつてはキーボードが折り畳みのタイプも販売されていましたが、現在はストレートタイプのDM100がネットや家電量販店などで販売されています。
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Windows10PCの「ポータブック」
このポメラの人気を受けたのかは定かではありませんが、キングジムはその後文房具屋としては初めてノートパソコン市場に進出しました。
その名も「ポータブック」というWindows10搭載のパソコンで、発表当時に独創的な広告を打ち出していたので覚えている方も多いでしょう。
スペックはメモリ2GBストレージ32GBで、8インチの画面を持つノートパソコンです。
ポータブックの特徴は、その折り畳みキーボードで独特な動きで中央から二つに割れ収納する事ができます。
そのおかげで8インチのパソコンながらフルキーボードとほぼ同様の使い心地を実現しており、大きさに比べてかなり使いやすいと好評です。
一方で問題点として挙げられるのが「キーボード以外」の部分です。
例えば、価格は8万8000円とパソコンとしてはかなり高価ですが、メモリ2GBでストレージ32Gというのはパソコンどころか多少性能が良いスマホにも負けます。
それは画質などその他の部分も同じで、パソコンと比較するのではなくスマホと比較するような性能です。
逆に割り切った性能という意味ではポメラが成功していますが、Windows10をOSとして8インチならばタブレットとそこまで変わらないのでこの点でも微妙です。むしろノートパソコンとしては厚みが有る方なので、タブレットとBluetoothキーボードという話にもなってきます。
このように価格も性能も微妙、特徴的な物はキーボードだけという状態になっており、発売から数か月たちましたがポメラほど評判がいいとは言えません。
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ポータブックはポメラの後継機?
ポータブックはポメラの後継機ではないという事なのですが、ユーザーはこれをポメラの後継機と見る人が多いようです。
そしてユーザーの間では「機能が無い事が魅力」だったポメラで成功したキングジムが、なぜ多機能のノートパソコンに流れたのか?という疑問であふれています。
人気の商品の後継品が「なぜそうなってしまったのか」という仕様になるのはよくある事ですが、ポメラのユーザーの中にはこのポータブックがポメラの後継機扱いになってしまうのではないかと恐れている人もいます。今後どうなっていくのか気になりますね。