Microsoftは、5月4日にシカゴで行われたイベント「Microsoft Ignite 2015」にて、次期Windows10対応の新サービス「Windows Update for Business」を発表しました。
このサービスでは、IT管理者が企業に必要な更新プログラムを取捨選択したり、時間帯を指定して更新作業を行わせるなどのサービスが可能になるようです。
簡単にWSUS相当のサービスを使用できる?
これは、今まで提供されていたWSUS(Windows Server Update Services)を、Azure上で展開することにおってサーバレスで実現可能にするものと考えて良さそうです。
昨今主流となっているソフトウェアの脆弱性を使用した、ユーザに認識させずに不正プログラムを仕込むドライブバイダウンロード攻撃などでは、ウィルス対策ソフトのみでは十分なセキュリティ対策が取れないことが多く、WindowsやAdobe Flash Player、JREの更新などが非常に重視されておりました。
しかし、一般的なユーザーはセキュリティ更新プログラムの適用を主体的に行うことは難しく、対策としてWSUSの導入をMicrosoftは推奨していました。
WSUSは非常に有用なソリューションですが、WSUS用サーバの準備や稼働更新プログラムの適用有無を見極める能力など、敷居が高い部分があり、中小規模のユーザではなかなか導入を行うことが難しかったのが現実です。
Catなど統合管理ツールにこれらの機能が盛り込まれていることも、WSUSの導入に二の足を踏む組織が多かったことを表しています。
今回の「Windows Update for Business」では、導入の敷居の部分のうちサーバ導入という部分が解消されることになります。
これによって、ユーザ数10名以下の組織でも容易にWSUS相当のサービスが使用できることになり、IT管理者、特に半強制的に兼務させられているユーザにおいては、大きな恩恵を受けることができるかもしれません。
Windows10以前のOSへの対応や、Office、Silverlightなど、WSUSで実装可能な機能のすべてが使用可能であるかは、現状分かりません。
法人ユーザにおいてはXPの入れ替え先が7となっている企業が多く、公官庁においても同様の傾向があります。
こうした問題はあるものの、非常に悩ましい問題であったパッチ管理についてMicrosoftが一定の解となる発表を行ったことは非常に嬉しいですね。