「リアル鬼ごっこ」「親指探し」「あそこの席」などで知られる10代、20代に人気の作家、山田悠介のおすすめ小説を簡単なあらすじと共に紹介します。
山田悠介の作品はホラー的なゲーム要素を含む作品が多く、バッドエンドで終わる作品が数多くありますが、中には感動できる作品もあります。
目次
リアル鬼ごっこ
西暦3000年の日本が舞台で、王国が置かれ王様によって国が統治されています。
傍若無人な王様(佐藤)は自分と同じ姓を持つ人が大勢いることに怒り、殺戮ゲーム「リアル鬼ごっこ」を始める。
探知機ゴーグルをつけた鬼に捕まれば殺されてしまい、佐藤の姓を持つ人は逃げ惑うという内容です。
リアル鬼ごっこは映画化もされていますし、山田悠介の代表作でもあるので読んだ事がある方は多いかもしれませんね。
中学生の頃にこの作品を読みましたが、このあり得ない設定に最後のバッドエンドは衝撃的でした。
パズル
有名な進学校の特進クラスが武装集団に占拠される。
武装集団から告げられたのは「48時間以内に校舎内に隠された2000ピースのパズルを探し出せ。さもなくば担任を殺す」。
学校内で行われるゲームなだけに登場人物が結構多いです。
パズルは映画化もされた作品で、そこまでページ量も多くないのでさらっと読めます。
×ゲーム
箱の中にはいったクジを引き、書かれた罰を行うという小学生時代に行われていた罰ゲーム。
主人公である小久保は罰ゲームに書かれていた「マジ告白」をいじめられっ子の蕪木に行う。
その告白を信じてストーカーとなった蕪木が小学生時代に受けたいじめの復讐をクラスメイトに行うというお話。
いじめられっ子だった蕪木によって、かつていじめを行っていたクラスメイトが次々に罰を受けます。
小説は累計50万部も売れているそうです。サイコパス要素を含んだホラー小説です。
ブレーキ
「ビンゴ」「サッカー」「ババ抜き」「ゴルフ」「ブレーキ」の5つのストーリーを収録した短編集。
それぞれ短いストーリーながらもゲーム性があり、さらっと読める作品。
この中で印象に残ったのが「サッカー」で、刀を持ちながらサッカーを行い、相手の首を切り落としてサッカーを行うという鬼畜ゲーム。
みんな救われない結末ですが短編なので軽い気持ちで読めますね。
ドアD
大学のテニスサークル8人で飲み会をするも何者かに拉致られ部屋に閉じ込められる。
部屋には一つの扉があり、誰か一人が死ななくては扉は開かない。
扉の先にはまた扉があり、また誰かが死ななければ扉は開かない。そして開いた扉の先にはまた扉が・・・。
山田悠介特有の理不尽ゲームで、部屋に毒ガスが送り込まれたり、部屋に水が送り込まれたりと、扉の先でおこなれるゲームは一つ一つ違います。
この作品も結局救われない物語でした。
8.1
「8.1」「写真メール」「黄泉の階段」「ジェットコースター」「骨壷(Horror Land)」「人間狩り(Game Land)」が収録された短編集です。
8.1には「Horror Land」と「Game Land」の2種類があり、収録されている内容が一部違っています。
「ジェットコースター」では彼女と遊園地にきた主人公がジェットコースターに乗るも途中で停止。
座っていたシートが外れ宙にぶら下がる状態になる乗客たち。最後の一人になるまで終わらないぶら下がりレース。
もし逃げようとすれば狙撃手に撃たれるというめちゃくちゃな設定です。
スイッチを押すとき
青少年自殺抑制プロジェクトセンターで働く主人公。
そこでは子供たちが軟禁され実験が行われている。少年少女は赤いボタンを持ち、そのボタンを押すと自分の命を絶つことになる。
孤独から自らボタンを押す子供がいる中、7年間もスイッチを押さない4人の子供。子供たちが「生きたい」と思う理由を聞いた主人公は子供たちと脱出をはかる・・・。
かわいそうな少年少女に悲しい結末。よくこんなアイデアが出るなあと。
Aコース
ゲームセンターに置かれた最新のゲーム「バーチャワールド」。
1プレイ5,000円と値段は高いが、現実の世界なのかゲームの世界なのか区別がつかないバーチャル世界に飛び込みゲームをプレイする事が出来る。
ゲームにはA〜Eまでコースがあり、主人公たちは「Aコース」を選択する・・・。
ページ数もそこまで多くないのですぐに読める作品。ゲーム好きの方は好きかもしれません。
バーチャル世界に飛び込めるゲームが実際にあれば楽しいだろうなあ。
Fコース
Aコースの続編。バーチャワールドの人気に火がつきプレイ料金も安くなっている。
Fコースのミッションは美術館の絵画を盗み出すというもの。ラストには驚きの結末が・・・?
Aコースの時はA〜Eの5つのコースしかありませんでしたが、今作では新コース「Fコース」にチャレンジします。
見るのであればAコースから見た方が良いと思います。
特別法第001条 DUST
ニートやホームレスなど、働かない人たちを無人島に島流しする法律「DUST法」。
食料も何もない島で500日の刑期を乗り越えなくてはならない。仲間割れが起きる島で生き残る事が出来るのだろうか・・・。
特別法第001条 DUSTは結構なページ数があり読み応えがあります。
島でのサバイバル生活、食料のない極限状態、仲間内での争いが描かれています。
オール
客からの要望を何でも答える「何でも屋」で働く主人公のストーリー。
高い報酬を貰えるが、いかにも怪しい仕事内容がたくさん出てくる。
山田悠介作品では珍しいホラー要素の少ない小説です。
ホラー要素はありませんが、仕事仲間たちと難題な依頼に次々と挑戦していきます。続編「オール ミッション2」もあるので、1作目から読む事をおすすめします。
魔界の塔
ラスボスには絶対に勝てないと噂のRPGゲーム。
ラスボスと戦って負けてしまうと負けた人間は植物人間になってしまう。主人公はこのゲームをクリアできるのだろうか。
RPGだったりゲームが好きな人は好きな作品かもれしないです。ゲーム要素を含んだこのストーリー展開は個人的に好きでした。
モニタールーム
刑務所の地下にあるモニタールームで、モニターを見るだけで月収100万円の仕事を見つけた主人公。
モニターに映るのは四方を地雷に囲まれた村と、4人の少年少女、1人のおじいさん。
定期的にヘリコプターで運ばれてくる物資で生活をする4人だが、外の世界を知らない。15歳を迎えた少年少女たちに外の世界があることが伝えられる。
外の世界があることを知った少年少女は外に出たいという気持ちが芽生え村を出て行く。5日分の食料と地雷探知機を渡され外の街を目指すが・・・。
あり得ない設定ですが、少年少女に芽生えた外の世界への好奇心と、四方に埋められた地雷への恐怖感が描かれています。
その時までサヨナラ
仕事人間の主人公、妻子とは別居し離婚を待つばかり。
そんな中、列車事故に妻が巻き込まれ亡くなったことを知らされる。息子は奇跡的に助かるも心に深い傷を負い、自分になつこうとはしない。
夫婦関係が終わりきったと思っていた主人公だったが、妻の自分に対する想いを知る・・・。
感動できる作品で、ホラー以外にこういった作品も書けるのかと驚くと思います。
山田悠介の小説でかなり評価の高い小説なのでおすすめです。
ニホンブンレツ
関東と関西で対立が起き隔てる様に置かれた大きな壁。
たまたま東京に来ていた広島出身の主人公。恋人と生き別れになってしまうが、なんとしてでも関西に戻ろうとするお話。
ストーリー展開は淡々としていますが、ストーリーのアイデアは面白いかなと。
キリン
天才の遺伝子だけを集めた精子バンクで生まれた2人の兄弟。
兄は偉大な数学者の遺伝子、弟はノーベル賞受賞者の遺伝子を受け継ぐ。兄ほどの学力の高さを持たない弟の麒麟は兄と母から見捨てられてしまう。
兄弟愛や家族愛が見られる作品でホラー要素はありません。
バッドエンドが多い山田悠介作品ですが、悲しくも良い終わり方でした。おすすめです。
復讐したい
犯罪の被害者が加害者に対して復讐することができる「復讐法」がある日本が舞台。
毒ガスを使ってテロを行った宗教団体のメンバーが続々と逮捕され、テロ被害者の遺族は復讐法を使う。
復讐法のために用意された無人島があり、復讐のために100時間が与えられる。復讐者側には武器や食料、受刑者の位置を知らせるGPSや地図を渡される。
島は無法地帯なので、受刑者が復讐者を殺しても罪にはならない。もし受刑者が100時間島で生き延びれば無罪放免となる。
人間の恐ろしさが描かれた作品。
復讐が復讐をよぶ実際にありえそうな小説。最後の展開は少し予想できちゃうかもしれませんが。