どれだけの人が覚えているかはわかりませんが、スマホやiPadの登場を皮切りに携帯の世代交代が進みつつあった2010年は同時に「電子書籍元年」のフレーズの元、各社が電子書籍端末に参入した年でした。
今や電子書籍において不動の地位を得ているKindleが日本語対応モデルを出したのもこの年ですし、SONYのReaderやシャープのGALAPAGOSなど今に続く商品が生まれた年でもありますが、流行に身を任せてぱっとせずに消えていったサービスもたくさんあります。
そんな2010年にサービスを開始した「LISMO Book Store」が2016年4月末日でサービスが停止される事がアナウンスされています。
LISMO Book Storeは終了しブックパスへ統合へ
LISMO Book Storeはauが提供する3G(携帯電話)とスマホに対応する電子書籍ストアです。
ただし、スマートフォンについてはすでにブックパスへの統合が進んでおり、現状は3G携帯とbiblio Leaf向けのサービスとなっています。
KDDIはサービス終了の理由として、スマートフォンやタブレット端末の普及による利用者の低下を挙げており、今後はスマートフォン向けの電子書籍サービスである「ブックパス」に力を入れていくとしています。
すでに1月の時点で月額サービスの自動退会を実施しており、2月の末日にはコンテンツのダウンロードが終了しています。
そして4月30日を持って正式にすべてのサービスの提供を終了という形になります。
auが売っていた電子書籍端末biblio Leaf SP02
これに関連して、電子書籍端末biblio Leafに提供されていた専用料金プランも4月30日を持って終了となります。
このbiblio Leafを覚えている人は電子書籍元年を覚えている人よりも少ないと思いますが、2010年にKDDIが他社と共同で電子書籍市場に参入するという事で同時期に発表された、同社が販売した唯一の電子書籍端末です。
仕様はかなり特殊でタッチパネルは搭載していますが現在のスマホのタッチパネルとは構造が違うため同製品に付属しているタッチペンでしか操作できません。
また、下部に太陽光パネルを有しており、太陽光(蛍光灯などは不可)での充電も可能となっています。
内蔵メモリは2GでSDカードにも対応しており、青空文庫の作品が100作品インストールされていました。
biblio Leafの最大の特徴は3G回線に対応しており、パソコンを使わずに直接電子書籍を購入できるというところにありました。
そのためAUでは専用プランを提供していました。なので電子書端末なのですが、携帯電話番号を登録する形になります。(通話は出来ません)
biblio Leafは使いにくい?
このbiblio Leafは端末代実質0円という当時よくあった携帯と同様の売られ方をしたのですが、正直そこまで売れたとは言えず後継機などは存在しません。
というのも、正直使いやすい端末とは言えないためです。
3G回線とWi-Fiに対応していますが、LISMO Book Storeでしか見ることが出来ない特殊な仕様のプラウザなのでそこまで使う事がありませんし、対応ファイルも3つしか無いため自炊(自分でデータを作る事)にも向いていません。
一応機能としてメモ帳や電卓機能も付いているのですが、タッチペンを使うので使いやすいとは言えませんし、入力機能としてはガラケーの方が良いレベルです。
そのうえ電子書籍元年と大々的に宣伝していましたが、まだまだ機能としては成熟していない部分が多く、正直宣伝倒れなのが当時の電子書籍の現状でした。
このような状態で使いやすいとは言えない、他にもっと使いやすい端末があるというbiblio Leafはすぐに忘れ去られてしまい今に至ります。
現在でもネットオークションやジャンクショップなどで安価に手に入るのですが、今回のサービス停止で通信機能が完全に無価値なものになってしまいましたし、中古でも実用的でもっと使いやすい端末があるので、購入するならその辺を覚悟してコレクション目的程度で購入してください。