DeNAの平成28年3月期 決算短信が5/11に発表されましたが、決算発表前のDeNAの株価は1,800円台でした。決算発表翌日には2,000円台になり、6/1の終値は2,181円となっています。
僕は株の取引をやっていないのですが、決算前から友達に「DeNAの株価が上がると思うよ」的なことを言っていました。
その友達は株取引を全くしない人なので興味が無さそうでしたが、僕がなぜ株価が上がると思ったのかその理由を書いていきます。
DeNAのウェブメディアが強すぎ
株取引をしている方にとっては浅はかな考えと思われるかもしれませんが、素人考えとして「業績が良ければ株価が上がる」と思っています。
ではなぜ、決算前からDeNAの業績が良いと思ったのかというと、DeNAのウェブメディアがもの凄く強いんですよね。
DeNAの代表的なウェブメディアとして、美容系のキュレーションサイト「MERY」が挙げられます。
ウェブメディアで収益をあげるには「サイトに広告を張る」「サイトで商品を紹介して売る」のが基本ですが、人がたくさん見れば見るほど広告がクリックされやすくなりますし、サイトを見る人が多ければ多い程サイト内で紹介している商品が多く売れます。
ウェブメディアで高い収益をあげるには、高い集客数(アクセス数)が必要になります。では、MERYのアクセス数がどれくらいか見てみましょう。
MERYのアクセス数
サイトのドメイン名を入力すると、そのサイトのアクセス数を調べる事が出来る便利なサイトがあります。
もちろんサイトのアクセス数は変動しますが、6/2現在MERYは国内で398番目に高いアクセス数となっています。
2016年4月のアクセス数を見てみると、一月で2000万を超えるアクセス数があります。
もちろん、このアクセス数が100%正確というわけではありませんが結構当たっています。自分のサイトを調べた体感として、ここに表示されるアクセス数の-30%〜+30%が本来のアクセス数という気がします。
MERYでは「グーグルアドセンス(以下アドセンス)」の広告を張っていますが、アドセンスはそのサイトにマッチした広告が表示されやすくなります。
例えば、車を扱ったサイトであれば「中古車販売の広告」や「新車の広告」など、そのサイトにマッチした広告が表示されやすくなります。
MERYは美容やファッション系のサイトなので、広告も美容やファッション系の広告が多くなるのです。
広告によっては1クリック当たりの単価にかなりの違いがあり、金融や保険、クレジットカードなどの広告は1クリック当たりの単価がかなり高くなったりします。
美容系の広告も比較的1クリック当たりの単価が高いので、美容系サイトでここまでのアクセス数を集めることが出来るMERYはかなり収益性の高いウェブメディアだと思います。
さらに、DeNAが手がけているウェブメディアはMERYだけではありません。
Welq(ウェルク)のアクセス数
DeNAのウェブメディアの一つである「Welq」もかなり凄いです。
Welqは「ココロとカラダの教科書」をテーマに健康やダイエット、食事やメンタルヘルスといったテーマを取り扱っているサイトです。このサイトもアドセンスの単価が高そうですね。
2016年4月のアクセス数は1200万を超えています。
上の右肩上がりのグラフを見ても分かると思いますが、Welqのアクセスの伸び方が異常な程高いです。
Welqのドメイン取得日は2015年の7月となっているので、一年も経たずに一月1000万超えのウェブメディアへと成長している事が分かります。
また2016年度では、MERYやiemo、Find Travelを初めとしたキュレーションプラットフォーム事業が利用者数や売上収益が順調に増加していることを説明。ノウハウを横展開することによって多ジャンルでサービスを立ち上げ、なかにはMERYを上回るペースで成長しているものもあるという。
MERYを上回るペースで成長するサイトがあると決算で言っていますが、個人的にWelqがそうなんじゃないかな?と思っています。あくまで予想ですが。
JOOYのアクセス数
MERYは女性向けのファッションを扱ったキュレーションメディアですが、JOOYは男性向けのウェブメディアです。
日本国内のランクでは800位につけています。
2016年4月のアクセス数は725万となっています。
MERY同様広告単価の高いメディアとなりそうです。
iemo(イエモ)のアクセス数
インテリアや雑貨、家具などをテーマにしたiemoも人気が高いですね。
国内ランクは573位となっています。
iemoの2016年4月のアクセス数は800万となっています。
iemoの上手い所が記事の集め方にあります。こういったウェブメディアを作る際に、一番何にお金がかかるかと言えば投稿する記事を集めるのにお金がかかります。
一概に「記事数が多い=アクセスが増える」というわけではないのですが、記事数が多ければ多くの人に見てもらう事が出来るというのは事実です。
企業は潤沢な資金があるので、その資金力を生かして多くの記事を集める事が出来ます。
iemoの記事の集め方が上手いと書きましたが、iemoではリフォーム事業者やインテリアデザイナー、工務店の人が無料で自社の商品やサービスを記事で紹介することができます。
中小規模のリフォーム会社を運営しているのであれば「もっとうちでリフォームを依頼してほしい!」と考えます。iemoという媒体を使って、自社でリフォームをするとこの価格でこんなに変わります!といった記事を無料で書く事が出来るのです。
もし僕がリフォーム会社を運営している人であれば、依頼をしてくれる人が増えて欲しいので内容の濃い記事を書くと思います。
「質の高い記事を無料で集める事が出来る」というやり方はめちゃくちゃ賢いですよね。
Find Travelのアクセス数
Find Travelは旅行や観光、お土産などの口コミを扱ったキュレーションサイトです。
2016年4月のアクセス数は1470万となっています。
Find Travelのみならずキュレーションサイトは他サイトの文章をまとめて一つの記事にする手法なので、転載禁止をしているのにもかかわらずFind Travelに転載されたという方もいたりします。
企業としてどうなの?と不満に思う方もいると思うので、こういったサイトは今後、企業としてのモラルが問われていきそうですね。
cuta(キュータ)のアクセス数
cutaは妊娠、妊婦、出産を扱った非常にニッチなウェブメディアです。
しかし、国内ランクは5696とかなり高い順位ですね。
cutaの2016年4月のアクセス数は215万を超えています。
ニッチなテーマだけに多くのアクセスを集めるのは難しいと思いますが、グラフを見る限り緩やかにアクセス数が上昇しています。
CAFY(カフィ)のアクセス数
CAFYはレシピやカフェ、レストランをテーマに扱ったウェブメディアです。
2016年の4月のアクセス数は375万となっています。
レシピと言えばクックパッドというイメージが強いと思います。下はクックパッドのアクセス数です。
2016年4月のアクセス数は脅威の8250万を超えています。
DeNAの資金力があればクックパッド並みになれるかと思いましたが中々難しそうです。
Upin(アップイン)のアクセス数
Upinは金融やローン、クレジットカードといったお金をテーマにしたウェブメディアです。
2016年4月のアクセス数は110万となっています。グラフの見る限りアクセス数の伸びが凄いですね。
先程も書きましたが、金融やクレジットカードジャンルで表示される広告のクリック単価はかなり高いので、110万アクセスでも結構な収益があるんじゃないかなーと思います。
まだまだアクセス数は伸びている様なので、このまま伸びていけばDeNAのウェブメディア事業の中でも収益性の高いサイトとなりそうです。
PUUL(プウル)のアクセス数
PUULはアニメや漫画、声優をテーマにしたウェブメディアです。
2016年4月のアクセス数は96万となっています。
アニメや漫画は種類が豊富にあるので結構アクセス数を集める事が出来そうですが、あまえり伸びていないんですね。
アニメ・漫画系の広告単価はそこまで高くないので、PUULはアクセス数を増やす事が重要な気がします。
GOIN(ゴーイン)のアクセス数
GOINは車をテーマにしたウェブメディアです。
2016年4月のアクセス数は63万となっています。
ニッチなテーマだけにアクセスが伸びにくそうですが、車を扱ったサイトで表示される広告の単価は高いです。
DeNAはゲーム事業やロボットタクシーなど幅広い
DeNAはウェブメディア事業の他にも、ゲームやECなど事業を幅広く展開しています。
DeNAのゲームと言えばFFRKが人気です。最近では任天堂とDeNAがスマホアプリの協業をしていて、最近リリースされたMiitomoの他に今後もゲームアプリを発表していくそうです。
アプリで言うと、DeNAが手がけるマンガボックスが1000万ダウンロードを超えています。
ガンホーやmixiはパズドラとモンストが廃れたら企業として大丈夫?と思ってしまいますが、幅広い事業で企業としての地盤を固めるDeNAは結構優秀ですよね。
DeNAは無人のロボットタクシー事業も手がけようとしているので、将来の事業への投資もしっかり行っています。
無人ロボットタクシーが成功するかは分かりませんが、ガラケーからスマートフォンへと一瞬で移り変わった様に、10年、20年の長い目で見てみると、運転する事がなくなり自動運転へ移り変わる可能性が十分考えられます。
将来の事業の種まきもしっかり行っている企業だなーと改めて感じました。
DeNAの株価が上がるだろうなーとウェブメディア事業を見て僕は判断しましたが、ゲーム事業やECが不調だとここまで株価は上がらないと思います。
事業によっては横ばいから微増だったので、これらを含めて株価高騰へと繋がったのですね。