ソニーが1,159億円の黒字!事業の内訳と利益・損益を調べてみた

ソニーの 金融事業+412億円

10/29に発表されたSONYの9月中間連結決算で、営業利益1,894億円、税引後の利益が1,159億円と発表されました。

前年の同時期は1,091億円の赤字でしたが、今期は1,000億円以上の黒字という結果になり、低迷していたソニーの業績復活が期待されています。

そこで今回は、どんな事業で利益が出ていてどんな事業で損益が出ているのかを調べてみました。事業と利益・損益共に紹介しています。

平成28年4/28に発表された決算報告については以下の記事をどうぞ。

 金融事業 +412億円

ソニーの 金融事業+412億円

売り上げ2,107億円 利益412億円

「ソニー生命」や「ソニー損保保険」などの金融事業が一番の利益を上げています。

現在のAppleの様に革新的な製品を世に出していたソニーが、ただの金融屋になったと揶揄されることがありますが、新しい事に挑戦するには多くの資金が必要となります。

金融事業はソニーの新しい挑戦を支える収益の柱となっています。

 

デバイス分野(半導体) +327億円

ソニーのデバイス分野(半導体) +327億円

売り上げ2,581億円 利益327億円

ソニーは半導体の技術が優れていて、iPhoneの中にもソニーの半導体(イメージセンサー)が使われています。

イメージセンサーを簡単に説明すると、カメラのレンズに入った光を電気信号に変換するもので、イメージセンサーが良い物であれば暗い場所でも高画質の写真を撮影する事が出来ます。

ソニーは以前からこの半導体技術に多くの投資をしていて、iPhoneが一台売れればソニーに20ドル(現在のレートで2,475円)の金額が入ると言われています。

 

また、中国の様々なモバイル会社がソニーにイメージセンサーの受注をしていて、生産が追いつかない程の需要があるそうです。

世界中の人がスマートフォンを使っているので、デバイス分野ではまだまだ利益を上げることが出来そうですね。

 

カメラ分野 +259億円

ソニーのカメラ分野+259億円

売り上げ1,860億円 利益259億円

一眼カメラやビデオカメラといったカメラ分野では259億円の利益を上げています。

スマートフォンの台頭によりカメラ市場は年々縮小しています。

最近ではわざわざ高級なカメラを買わなくてもスマートフォンで高画質な写真や映像を撮影する事が出来るので、将来的に継続して収益を上げ続けるのは難しいかもしれませんね。

 

最近ではiPhoneで撮られた映画がアカデミー賞を受賞して話題になったり、外国のテレビ局ではスマートフォンのカメラだけを使って、リポートやインタビューを撮影するということが試験的に行われているそうです。

画質的にはスマートフォンのカメラも通常のカメラと大差はないので、将来的には「簡単な撮影ならスマホで十分」ということになるかもしれませんので、今後もカメラ市場は縮小していくと予想されます。

 

ゲーム分野 +239億円

ソニーのゲーム分野+239億円

売り上げ3,607億円 利益239億円

PS3やPS4、PS Vitaなどのゲーム事業で239億円の利益を上げています。

ソニーの最新機種であるPS4は海外や日本国内でも売れ行きは好調で、最近では新型PS4が値下げされたり、MGS5やCOD、BF、マインクラフトといった有名タイトルのゲームが次々と発売されています。

PS4でオンラインゲームをプレイするには、1ヶ月で○○円といった利用券を購入しなくてはいけません。

PS4でオンラインゲームをする人が増えれば増える程、この利用券による収益も増えていきます。

PS4を購入する人はまだまだ世界中で増え続けているので、ゲーム分野(PS4)からの収益は将来的にも問題なさそうですし、まだまだ増えていきそうです。

 

プレイステーション VRはどうなる?

プレイステーションVR(バーチャルリアリティ)が2016年の上期に発売される予定です。

今までのテレビゲームとは違って、頭に装着するタイプの新しいゲームとなっています。

 

Facebookが20億ドルで買収したOculus(オキュラス)も、プレイステーションVRの様なヘッドセット型ゲームを開発している企業です。Oculusもソニー同様2016年にVRを発売すると発表しています。

ソニーは長年ゲーム事業を続けていますが、Facebookが買収したという事で資金的には問題の無いOculusとVRゲームで争う事になりそうですね。

テレビゲームとはまた違った感覚の新しいゲームとなるので、映像やゲームの内容が良ければかなり人気が出るのではないでしょうか。

僕はPS VRが発売したら絶対に買うと決めています!

 

テレビ・レコーダー分野 +158億円

ソニーのテレビ・レコーダー分野 +158億円

売り上げ2,891億円 利益158億円

液晶テレビやオーディオ、ブルーレイディスクレコーダーやヘッドホン分野で158億円の利益を上げています。

シャープや東芝など日本の液晶テレビの世界シェアが低下してきていますね。最近ではAppleがApple TVを発表したりと、日本メーカーは厳しい状況です。

 

ソニーのテレビといえばBRAVIA(ブラビア)ですが、最近では4Kの高画質テレビを推しています。

ソニーのオーディオの技術は高く、製品的には高品質なテレビで価格もそこそこします。

ソニーのブランド力はまだまだあるので、高級テレビとしてでも売れそうですが世界シェアを取るのは中々難しそうです。

音楽分野 +148億円

ソニーの音楽分野 +148億円

売り上げ1,387億円 利益146億円

音楽や映像、アニメーション作品の製作で146億円の利益を上げています。

Xアプリなどで音楽をダウンロードしたり、デジタルストリーミング配信の売り上げが増加しました。

 

最近ではLINE MusicやApple Musicといった、定額で音楽を視聴するサービスを利用している人が多くいます。

SONYも定額で音楽を聴く事が出来るサービス「Music Unlimited」を運営していましたが、2015年3月にサービスを終了しました。

「音楽はダウンロードをせずに定額で聴き放題」ということが一般的になってしまうと、音楽分野の収益に多少の影響はありそうですね。

 

モバイル事業 -206億円

ソニーのモバイル事業 -206億円

売り上げ2,792億円 損益206億円

日本国内でXperia系のスマートフォンを使っている方は多いと思いますが、世界的に見るとAppleのiPhoneや韓国のサムスンが世界シェアを取っていて、日本製のスマートフォンはいまいちな状態です。

しかし、前年の同時期のモバイル事業を見てみると、売り上げは3,295億円、損益は1,706億円でした。

為替などの影響もありますが、マーケティング費用などの削減により損益を大幅に減らす事が出来ています。

世界シェアをSONYのスマートフォンが取るのはかなり難しいと思いますが、黒字まで持っていければ良いですね。

 

映画分野 -225億円

ソニーの映画分野 -225億円

売り上げ1,837億円 損益225億円

映画製作やテレビ製作を行っていますが、映画分野が一番の損益を出しています。

映画の場合は制作費・人件費・宣伝費がかかってしまうので、映画がヒットしないと赤字になりやすい分野でもあります。

爆破シーンやCGにかなりのお金をかけたが、映画がヒットせずに回収できなかったということは良くあることなので、企業の収益的に考えると割に合わない事業だったりします。

 

前年にはアメイジング・スパイダーマン2がヒットしましたが10億円の損益となっています。

アメイジング・スパイダーマンの3作目を2016年、4作目を2018年に公開すると発表しているのでヒットすれば回収できそうですが、制作費もそれなりにかかると思います。