保険会社ではなく銀行で変額保険を薦められた方がいるかと思いますが、変額保険にはどういった特徴があるのでしょうか?
これは保険契約と言っても投資に近くなるので十分注意する必要があります。どのような点に気をつければいいのか、また投資の方法としては優れているものなのか詳しく紹介します。
変額保険の特徴
例えば死亡保険であれば死亡保障が1,000万円、医療保険であれば入院給付金日額5,000円などと保障額が決まっているのが一般的な保険です。
保険会社は払われた保険料を元に運用をしていますが、この保障額が運用の成果によって変わるのが変額保険という商品です。
変額保険だけでなく定額保険についても保険会社が保険料収入を元に運用を行っていますが、定額保険では保障額を約束し保険会社がリスクを負います。しかし変額保険では保険の契約者もリスクを負います。
変額保険と言っても最低保証額がある
変額保険の運用に失敗したとしても、保険金がもらえなくなることはありません。変額保険には最低保証額が設けられていますので、その点は安心できます。
ただし保険の種類によって、最低保証がつくものとつかないものがあります。死亡保険金には最低保証がついているが、満期保険金や解約辺戻金にはついていないという商品が多いです。
また、個人年金の変額保険では、死亡給付金に最低保証額をつけているが、年金や解約辺戻金にはついていないというのが元々は一般的でした。ただ最近は年金にも最低保証額をつける商品が増えてきています。
変額保険の運用先って?
変額保険は国内外の株式や債券に投資して運用しています。外国の株式や債券に投資する場合は、為替変動によるリスクがあります。
外貨建て保険と呼ばれている保険がありますが、2012年末に円安傾向になってからは保険営業を盛んに薦めてきた商品で、こちらも変額保険の一種と言えます。
注意すべき点は、外貨建てであれば円と外貨を換金するため手数料がかかりますし、その他変額保険でも運用の報酬(投資信託の信託報酬に相当する)がかかるということです。
また、保険会社から高額の販売手数料を受け取れる変額保険を銀行が窓口販売したがるということで、金融庁より手数料を開示するよう銀行には要請がありました。
これらの手数料・報酬は保険料から充当されますが、様々な名目の費用がとられることがあります。
税制優遇を受けたいのであれば確定拠出年金やNISAも
変額保険のようにリスクをとって保険に加入する場合、特に銀行の窓口販売が多い個人年金保険に加入する場合は、民間の保険にとらわれず広く考えてみてください。
リスクをもって投資すること自体は国も推奨していますし、税制で優遇しているものがあります。
将来年金をもらう人で運用のリスクがあるものとしては「確定拠出年金」があります。自分で投資する商品の配分を考える必要がありますが、掛けた分は全額所得控除されます。
変額個人年金保険は所得控除の対象ではありますが、掛けた分が全額所得控除にならないので税制では損になります。
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積立NISAは確定拠出年金とよく比較される投資方法で、投資した商品から得られる配当・分配金や売却益が非課税になります。
ただ、NISAは年間の投資上限額が100万円から120万円に変わったり、5年間の非課税期間も見直しの対象になったりと、税制が頻繁に変わるという点では、制度の動きに注意する必要があります。
変額保険は運用の手数料を金融機関がとれるので、保険会社や銀行は売りたがる商品です。しかし、投資の対象として民間の保険で良いのかよく考える必要があります。
確定拠出年金やNISAとも比較して、自分が良いと思える手段を選択しましょう。