年金には老後に貰えるもの以外にも、障害を持った方や遺族の方がもらえる年金があります。
「育英年金」と呼ばれるもので、公的年金でなく生命保険で貰う事が出来る年金です。
今回は育英年金がどういったものか詳しく紹介します。
育英年金は学資保険に契約するともらえる
育英年金という生命保険はありません。これは「学資保険」という教育資金を保障する生命保険において、保障の一つとして特約でついてくるものです。
学資保険は本来、子供を持つ人が大学入学時や大学生である間など、教育費がかかる時に保険金が貰えるものです。
例えば、子供が小学校進学時に20万円、中学校進学時に30万円、高校進学時に50万円、大学進学時に満期で100万円もらえるようなものがあります。お子さんがある年齢の際には必ず貰えるものなので、貯蓄型の保険商品と言えます。
育英年金は契約者が死亡してしまった場合に、遺族の方がもらえる年金なのです。また、高度障害になった時の保障をつけていたり、死亡・高度障害になった後の保険料を免除にしてくれる学資保険も多くあります。
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学資保険(育英年金)で気をつけるべきこと
育英年金が保障されている学資保険に契約すると、もらえる総額が200万円の保険に対して、支払総額が200万円を超えているような商品もあります。貯蓄型でありながら、これでは元本割れしています。
これは学資・教育資金以外の保障がついているのが原因です。一家の大黒柱が亡くなった際にお金が貰えるのは便利ですが、育英年金がそこまで必要かはよく考える必要があります。
育英年金なしのプランの保険もあるので、そういった学資保険も検討してみてもいいかもしれません。
育英年金に相当する公的保障もある
育英年金の他にも、遺族の方や障害状態になった時にもらえる公的な保障があります。
有名なのは遺族年金や障害年金です。自営業者のように国民年金に加入している方は「遺族基礎年金」や「障害基礎年金」、厚生年金に加入している会社員等であれば「遺族厚生年金」や「障害厚生年金」がもらえます。
なお遺族厚生年金であれば子供がいなくても貰う事が出来ますが、遺族基礎年金は高校生まで(障害があれば20歳未満)の子がいることが受給の要件です。
遺族基礎年金・障害基礎年金の金額としては、約78万円+子の加算額(2人目まで1人約22万円、3人目以降は1人約7万円)を貰う事が出来ます。障害基礎年金は障害等級によってはもう少し増えます。
家庭によっては少ないと感じられる金額かもしれませんが、遺族厚生年金や障害厚生年金は在職中の給与によって変わります。
この他にも、自治体からは児童扶養手当(母子手当・父子手当)というものを貰う事が出来ます。
子供1人で所得が低ければ月4万円程度はもらえますが、こちらも子供の数により額が変動します。さらに世帯の所得によっても変わり、所得が高いと最悪1万円弱まで減らされます。
なお、遺族年金と児童扶養手当の併給もできますが、合算しても児童扶養手当の上限額までしかもらえないことに気をつけましょう。
また、これらの収入は所得税や住民税は非課税ですが、育英年金は課税対象になります。このような違いを踏まえて、こういった制度を活用することを考えましょう。
子育てに上手に活用
もっとも年金や児童扶養手当では、月額で10万円にもならないケースも多々あり、これで暮らしていけるか不安になることもあるかもしれません。
その場合に育英年金の貰える学資保険を活用することは重要なので、まずは公的にどの程度保障されるかも考慮しながら、学資保険の契約を考えましょう。