金融商品を選ぶにあたっては、いくつかの基本的なチェックポイントがありますが、中でも「流動性」「安全性」「収益性」の3つが特に重要だと言えるでしょう。
以下、それぞれの意味について整理しておきましょう。
金融商品の「流動性」とは?
流動性とは売買や換金(現金に換えること)のしやすさです。
必要に応じて自由に売買出来たり、換金できる金融商品ほど流動性が高い投資対象と言えます。
身近な例である「普通預金」と「定期預金」を比べてみましょう。
普通預金に預けたお金はいつでも好きな時に払い戻してもらえますが、定期預金に預けた場合は1年の定期預金なら1年間、3年の定期預金なら原則として3年間は払い戻してもらえません。つまり、定期預金より普通預金のほうが流動性は優れていると言えます。
ほかに流動性に優れている金融商品には、金地金(きんじがね)があります。世界各国どこでも共通の価格で、いつでも売買(換金)できるからです。
金融商品の「安全性」とは?
金融商品の「安全性」とは、端的にいえば元本保証があるかどうかです。
例えば、日本の銀行に日本円で預金をした場合、元本は一応保証されていますので安全性は高いということになります。
ただし、その銀行が倒産したらペイオフの関係上、元本は1千万円までしか保証されません。また外貨預金においては為替相場(為替レート)の変動によって、円換算では元本割れの可能性もあるので注意が必要です。
しかも、日本円の普通預金を何十年持っていても、今のような超低金利では預金はほんの少ししか増えません。
それどころか、インフレになれば実質的な通貨価値は目減りします。インフレとは、通貨価値の下落にともなう物価上昇現象です。
物価が上昇した場合でも預金の名目上の金額は減りませんが、それに見合った金利の上昇がなければ、結局、実質購買力の面では損をしたことになってしまいます。
つまり、インフレ期に定期預金を持ち続ければ、それだけで実質的には自分の財産を減らしていることになるのです。
金融商品の「収益性」とは?
そこで、金融商品を選ぶ際には収益性も重要となってきます。銀行預金は流動性や安全性に優れていましたが、収益性としてはとても優れているとはいえません。
一方、FXやCFD、商品先物取引などは、基本的には買った値段と売った値段(あるいは売った値段と買った値段)の差額が利益の源泉となります。
しかも証拠金取引ですから、小額の資金でも大きな額の取引も可能です。相場が自分の意図する方向に大きく動くほど、利益も大きくなります。したがって、これらの商品には高い収益性が備わっていると言って良いでしょう。
しかしその一方で、高い収益が見込める(ハイリターン)の金融商品はリスクが高いです。つまりハイリスク・ハイリターンの性質があるということです。
高い収益性が備わっているものの、安全性は相対的に低いと考えられています。
金融商品の優先順位を決めよう!
これまで述べたように、金融商品を選ぶには主に3つのポイントがあることを紹介しました。
ただし、お分かりの様に3つ全てに優れている金融商品はありません。流動性と安全性は高くても収益力で劣っていたり、反対に収益力には優れていても安全性は低いという具合です。
そこで、金融商品を選ぶ際にはどれを優先するかをまず決めることが大事です。
例えば、部屋を探すときのことを考えてみると、自分が想定している家賃と部屋の条件が折り合わないということが良くあります。
あるマンションは駅には近いが家賃が高くて部屋が狭い。また、別のマンションは家賃はリーズナブルで部屋も広々としているけど、駅から遠くて不便・・・といった具合です。
全ての条件が揃ったマンションは、よほど特別な事情がない限りなかなかないものです。
その時に決断の決め手となるのが、どれかの条件を優先し、他の条件についてはある程度目を瞑るということです。
駅から近いことを優先して家賃が高い物件を選んだり、家賃は安いけど駅から遠い物件を選ぶといった具合です。
投資もこれと同じで、自分の性格タイプや資金量とともに、投資で自分が優先させたいことを確認して金融商品を選ぶ様にしましょう。