国民年金を未納・滞納しているとどんなリスクが?財産差し押さえが強化されている

年金が払えない時は免除申請を

年金でも国民年金に関しては自身で納付する必要がありますが、年金制度に対する不信もあり納付率が決して高いとはいえません。平成27年度の納付率を見てみると63.4%となっています。

納付率は63%となっていますが、国民年金保険料を滞納することはかなり危険な行為です。

今回は年金を滞納する事でどんな影響があるのか詳しく紹介します。

差し押さえが強化されている

差し押さえが強化されている

かつては年金未納をしている人に対しても、年金記録が適正にされていないなど年金行政がうまく機能していなかったこともあり、差し押さえに関しては消極的でした。

しかし、日本は高齢化社会を迎えて65歳以上の人を中心に支出が膨らむ一方で、保険料支払の対象となる60歳未満の人口が減ってきているため、年金未納を放置すると年金財政が立ち行かなくなる危険性も出てきました。

そのため、現在では年金を滞納している人に対して差し押さえが強化され、国の方針で課税所得400万円以上の国民年金滞納者に対して、差し押さえをしていくことになりました。

 

差し押さえの前には督促状が来ます。これを無視した場合には、銀行預金口座などの口座が差し押さえられます。

差し押さえの強制執行が行われるとその後は大変ですので、督促状が来たら払えない場合でも年金事務所には行くようにしましょう。分納の相談には応じてもらえます。

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将来の年金が減らされる

将来の年金が減らされる

年金保険料の滞納は、当然ながら将来もらえる年金に影響するようになっています。

もらえる年金(国民年金の場合は老齢基礎年金と呼ばれます)の額ですが、現行制度では780,900円が満額であり、20歳〜60歳の納付義務がある期間で納付していない月があれば、それに応じて減らされるようになっています。

 

障害年金や遺族年金がもらえなくなることも

障害年金や遺族年金がもらえなくなることも

国民年金からは老後にもらえる老齢基礎年金の他、障害や重病になったときにもらえる障害基礎年金や、自身が死亡した時にご遺族の方がもらえる遺族基礎年金などももらえます。

滞納があるとこれらの年金が貰えないことがあります。遺族年金がもらえないとなると、ご家族に迷惑をかけてしまうことにもなります。

これらの年金の場合、初診日の前々月までに3分の1以上の未納月数があると、保険料納付要件を満たさないので一切もらえなくなってしまいます。もっとも特例措置で、初診日の前々月までの直近1年で未納が全く無ければもらえるようになっています。

 

年金が払えない時は免除申請を

年金が払えない時は免除申請を

年金制度を信用していないから「払わない」という理由の他に、収入や資産が少なく「払えない」という方もいるかと思います。しかし、その場合は年金保険料が免除される可能性があります。

生活保護をもらっている方で生活扶助等を受けていれば自動的に免除されますし、生活扶助等を受けていない場合であっても前年の所得が一定額以下の方であれば、所得に応じて保険料が全額もしくは4分の3、4分の2、4分の1のいずれか免除されます。

 

また、学生や20代のフリーターに対しても本人の所得に応じますが、先ほどの免除とは違った形で全額免除の特例(学生納付特例・若年者納付猶予)があります。

こういった特例を受けている期間は「保険料免除期間」と呼ばれ、年金保険料を通常通り支払った期間に準じた扱いがされます。もっとも老後の年金に関しては、免除額が大きいほどもらえる金額も少なくなる点は注意しましょう。

 

年金を滞納するのは、現在と将来の両方にわたって非常に危険です。

年金行政がうまく機能していないという問題は確かにありますが、自身、または家族の生活を危機にさらすことのないよう、免除という手段の活用も含めて滞納はやめましょう。