有料の広告ブロックアプリ「Crystal」がApp Storeでランキング上位になったり、iPhone6sで広告ブロック機能が実装されると言われていますが、広告=「悪」という風潮はどうなのかなぁと思っています。
広告があることで無料でサービスを提供できるので、案外WinWinな関係だと思うのです。
広告が完全にブロックされることは良い事?
現在、広告ブロック機能のアプリは発展途上で、Web上の広告を完全にブロックすることは不可能です。
将来的に広告ブロックの機能が向上し、完全に広告をブロックすることが出来ると仮定して、それって本当に良い事なのかな?と疑問に思っています。
ブログやサイトで情報なりサービスを提供する人達は非営利組織でもなく慈善団体でもないわけで、良い情報・サービスを提供する変わりに報酬を貰うというのは至極当たり前な事だと思います。
大手のサービスになれば有料会員などでユーザーからお金を払ってもらうことは可能ですが、個人のサイトやブログ・ニュースサイトが、その方法で収入を得るのは不可能ではありませんが現実的ではありません。
「提供している情報が良いから毎月1,000円払うね!」なんて人は、あまりいないのではないでしょうか。
良い情報やサービスを無料で受ける事ができれば、それが一番いいですよね。
しかし、良い情報やサービスを提供をしている裏では人間が動いているので、本来であればその行為に見合った対価が必要になります。
一般的に「情報=価値」という意識は低いので「情報にお金を払うなんてもったいない」と思う方が多いと思います。
そこで、情報やサービスを提供する側と、情報やサービスを受け取るユーザー側が、WinWinな関係になれるのが「広告」だと思うのです。
ネット広告が嫌われる理由って?
ネット広告をブロックするアプリが人気になるということは、ネット広告に何かしら嫌われる理由があると思うのですが、大体この3つのどれかに当てはまるのではないでしょうか。
誤クリックなどを狙った邪魔な位置にある広告
2chまとめサイトなどに多いと思うのですが、スマートフォンで見た時に広告が連続して並んでいて、間違えて広告をクリックしてしまった経験がある方もいるのではないでしょうか。
しかしこの行為は、グーグルアドセンス(グーグルのネット広告サービス)では禁止行為とされています。
グーグル側に通報すれば何かしらの対応をしてくれるので、こういった「禁止行為」をやっている一部の人を見て、広告=「悪」と思ってしまうのは間違いです。
ウェブの表示速度が遅くなる
広告をブロックすることで、ウェブページの表示速度が速くなると言われています。
しかし、スマホの性能や通信速度は年々向上しているので、広告をブロックしたからといって劇的に変化があるのか?と言われるとそうでもなさそうです。
ページ表示速度が遅くならない様な軽い広告に変わっていけば良いですが、この問題については時間と共に改善されていきそうな気がします。
広告で稼いでいる人が気に入らない
先に紹介した2つの理由は建前論で、結局は広告で稼いでいる人が気に入らないというのが一番の理由だと思っています。
ネットで稼ぐ=楽に稼いでいると思われがちですが、実際はそんなことはありません。
将来が保証されている様な安定した仕事でもないので、そういった考えで広告を嫌悪している方には「簡単に稼いでいるわけではない」というのを理解してほしいと思います。
僕も色々なウェブサイトを見るのですが、基本的に気になった広告しかクリックしませんし、そこまで広告に嫌悪感を抱いてはいません。
ネット広告を嫌っている人もウェブから情報を享受していて、直接お金を支払っている訳でもないのに「広告収入を得る人が許せない!」というのは少し違う気がします。
WinWinな関係が崩れる?
この広告ブロックを巡っては、グーグルが広告ブロックを回避するコードを開発していて、近いうちに発表すると言われています。
他にも、広告ブロックをしているユーザーにはWebページを表示させないということも考えているとか。
広告をブロックすることで一見サービスが向上する様に思われますが、周り周って自分たちの首をしめているのかもしれません。
広告ブロックを導入する人は広告を絶対踏まない様な人だと思うのですが、広告ブロックという有料のアプリを購入しているので、一番搾取されたくないはずの彼らがお金を搾取されるという不思議なことが起きています。
元々絶対に広告を踏まない様な人が広告をブロックしているので、個人的にそこまで影響はない気がしますが・・・。不毛な戦いはいつまで続くのやら。