「目の付け所がシャープでしょ」のキャッチフレーズやホンハイの買収劇など、とにかく有名なシャープがこのたびロボット型スマートフォンである「ロボホン」の発売を開始すると発表しました。
以前から存在自体はアナウンスされていましたが、このたび公式の一般発売されることが決まり注目を集めています。
ロボホンのスマホとしての性能は?
どの切り口で解説するかで評価が変わるのですが、まずスマートフォンとしてスペックを見ていきたいと思います。
ロボホンはAndroid5を搭載し、電話やメールも可能なスマートフォンとなっています。
内蔵ストレージは16G、RAMメモリは2Gとスマホとしての性能は比較的高くなっていますが、バッテリーは1,700mAhと少なめです。
その為シャープの公式発表では、カメラやメールなど一日130分の利用ができ、実働時間は一日以上となっています。この部分は改善の余地があると言えます。
当然LTEにも対応しており、ドコモ、または系列の格安SIMであれば問題なく使えます。
カメラは800万画素で、プロジェクターを内蔵しています。
スマホではなくロボット
正直スマホとしてはそこまで高性能とは言えないのですが、ロボホンはそもそもスマホというよりもロボットとして作られています。
かわいらしいデザインをしたロボットに音声認識でダンスや会話、立ったり座ったりと人間らしい動きをします。
また、GPS機能を搭載しているので場所を確認する事が可能ですし、スマートフォンなので検索結果や今日の予定などを、読み上げて確認してくれる機能もあります。
身長は約20cm重さは約400gとスマートフォンに比べると少々重いですが、屋外への持ち出しを前提に考えられたロボットとなっています。
また、Androidを使う事で、アプリの配布により追加機能を楽しむ事も可能です。
シャープは今後公式サイトより、ロボホン専用アプリを公開すると発表しています。
専用サービスとしてシャープがMVNOに参加
同時にシャープはロボホン向けサービスとしてMVNOへの参加を表明しました。
料金の仕様として、まず他社格安SIMを使う場合でも月額980円の「ココロプラン」に加入しなければプロジェクターからモバイル通信、会話機能など音声通話以外のすべての機能が使えません。
そしてこのたびシャープが提供するプランは、ドコモ回線を利用して1GB650円、3GB950円、5GB1,580円の三つです。音声通話も追加で利用したい場合はここに700円の追加料金を支払う形になります。
その他に開通料として3000円、音声通話の場合一年以上利用するという縛りが存在しています。
因みにSMSは受信は無料ですが、送信をする場合はお金がかかります。
ロボホンの値段は20万円
このロボホンですが、価格は19万8000円(税抜)で5月下旬に販売予定です。
この値段はソフトバンクが販売するペッパーとほぼ同じです。(ペッパーはここに月々2万5000円の維持費が必要)
ディアゴスティーニ社が分割で販売したロビは総額14万円なので、けた違いに高いという訳ではありません。
ただそれはロボットとしての価格であって、屋外への持ち出しや電話機能などを念頭に置いたロボットとしてはこの価格はどうしてもネックになります。
シャープが販売するエアコンを見てみると工事費込みでも10万円いきませんし、19万となるとちょっとした中古車を買う事ができる値段です。
設計者や販売した側の思想として、スマートフォンというモバイル端末とつなげる事で新たな進化を求めたというのは分かるのですが、20万円の携帯を外に持ち出す人はそうそういません。
なので家の中で使う事がメインになると思われますが、それなら電話機能の必要性が問われます。
このロボホンは設計思想としては面白いですが、それがそのまま性能や売り上げに直結しないあたりは、経営不振のシャープのままであると感じます。