日常の中ではあまり気付かない差別や偏見ですが、映画の中には差別や偏見をテーマにしたものがたくさんあります。
差別や偏見は難しいテーマではありますが、今回は差別や偏見を描いた映画をランキング形式で紹介します。
第5位:ヘルプ~心がつなぐストーリー~
1960年代のアメリカ南部が舞台で、黒人差別が残っている時代に黒人メイドたちへの不当な扱いを改善するため、メイドたちの声を本を通して広めて立ち上がる女性たちの姿を描く作品です。
白人家庭に使える黒人メイドという姿は昔のアメリカでは日常的な光景でありました。
当時のアメリカの白人家庭内で受け継がれる黒人差別や、黒人家庭内で祖母・母がメイドとして白人家庭に使える様子を見て、自分も将来家事をするメイドになるのだというイメージを持つようになる、黒人の家庭内で受け継がれる価値観や差別を描いています。
第4位:I am Sam(アイ・アム・サム)
知的障害を持つ父親とその娘の交流を描いた作品です。
7歳程度の知能しかもっていない中年男性のサムが娘のルーシーを一人で育てていますが、ルーシーの知能がサムを上回るようになると、知的障害を理由にサムには親権がないと扱われルーシーを引き離されてしまいます。
裁判で戦うために、やり手の女性弁護士リタに出会うサム。二人は再び親子に戻ることが出来るのでしょうか・・・。
サムは知障害があることを理由に、裁判の中では親としての権利がないことを説明されます。
障害による行動や低収入の仕事ばかりが取り上げられますが、サムには親としてルーシーへの愛情が確かに存在しています。
最初は嫌々弁護を引き受けたリタが対等な人間としてサムに対して接する姿は、この映画を見ている人に「障害とは?親子の絆とは何か?」を問いかけます。
第3位:チョコレートドーナツ
1970年代、ゲイのカップルが施設に入れられようとしていたダウン症の少年を助けようとして少年を引き取ります。
しかしながら、ゲイカップルであることを理由に二人は少年から引き離され、法廷で争う事になります。再び三人がそろうことはあるのでしょうか・・・。
同性愛や障害に対して偏見や差別という「普通ではない」ものを受け入れようとしない社会に対して立ち向かう姿が描かれます。
彼らの幸せを求める姿は、差別や不当な扱いに対して立ち向かう強い姿として勇気を貰える作品です。
第2位:最強のふたり
スラム街出身の黒人青年ドリスは仕事として、首から下の感覚がないフィリップの介護を行う事になる。介護の知識がなく、好き勝手にやるドリスと厳格なフィリップはそりがあいません。
しかし、「介護される者」としてフィリップを扱わないドリスだからこそ、二人はだんだんと親しくなっていきます。
日本でも大ヒットした映画であり、スラム街の黒人であるドリスと障碍者であるフィリップという社会的な排除や差別を受けやすい二人が出会い、人生を楽しんでいく姿が描かれます。
この映画では排除や差別を受ける対象としてではない人間同士の交流と二人のいきいきした姿が描かれ、物語の明るさが見る人にさわやかな感動を与えます。
第1位:MILK(ミルク)
1970年代のアメリカが舞台で、ゲイであることを公表し初の公職に就いたハーヴィー・ミルクの人生を描いた作品です。
ニューヨークの街で自分がゲイであることを隠していたミルク。そんな中でパートナーと知り合い、サンフランシスコのゲイコミュニティの中でパートナーとともにカメラ店を経営しながら過ごしています。
ニューヨークと違い自分の事を隠さなくてもよくなった日々ですが、世間での同性愛者への差別や偏見は変わらないまま。
そんな中でミルクは自分がゲイであることをカミングアウトして、公職につき同性愛者や有色人種、高齢者といった全ての社会的弱者の意見を伝えるために政治の世界に進みます。
当時のアメリカでは世間からの差別や偏見は根強く、同性愛者の職業を制限する様な法律ですら受け入れられようとしていたほどです。
そんな中でメディアを通じて、同性愛者であることをカミングアウトする勇気や希望を伝えるミルク。
そんな彼の姿は、自分らしく生きていこうとする姿を貫こうとするすべての人々にとって希望となるはずです。