生命保険といえば死亡した際に保険金をもらえるものですが、生きている状態でもらえる保険など様々な保険商品が増えています。
あえて「生前給付保険」という名前で売っている保険がありますが、漠然としていて分かりにくいかと思います。
生前給付保険にはどういった特徴があるのか、この保険はおすすめな保険なのかどうかについて詳しく紹介します。
生前給付保険はどういった状態でもらえるのか?
まず「生前給付保険」という名前で売られている代表的なものはソニー生命のものです。
ガン・脳卒中・心筋梗塞といった特定疾病にかかった場合に保険金がもらえます。
生前に給付される保険はたくさんあるのですが、わざわざ生前給付という名前になっているのは、上記の特定疾病にかかった時に満期となり、死亡保険金のように多額の保険金がもらえるからと考えられます。
一時金形式なので、保険金をもらった段階で保険の契約は終了となります。
生前給付保険はお得な保険と言えるのか?
30歳で保険金200万円の保険に加入した場合、死亡保障のついた終身保険で月額3,000円台ですが、生前給付型の終身保険だと月額4,000円台と試算されます。保険料は死亡保険と比べると割高です。
これは、保障内容が特定疾病にかかった時に給付されるという内容で、死亡に比べて保険金を支払う確率が高くなるため、保険料が高くなるのです。
もっとも三大疾病の治療には多額の医療費がかかることも予想されるので、高めに払って備えることは考えられます。
では、保険料をもう少し安くする方法、他に使えるものはあるのでしょうか?
障害年金の「障害」の意味は広い!
生前給付保険のような特定疾病保険を考えるにあたって、知っておいたほうがいい公的保険の制度があります。
年金制度の1つとしてある障害年金に関しては、「障害」という言葉を用いていることから、障害者がもらう年金であるという誤解が多い状況です。
障害年金は、がん患者や脳卒中・心筋梗塞の後遺症が残った方でも場合によってはもらえる年金です。医師に診断書を記載してもらった上で、ご自身で申立書を提出する手続きが必要です。
もっとも障害年金の受給要件にあたる障害状態に関しては判定が難しいこともあり、年金の専門家である社会保険労務士でも不得手にしている方もいれば、得意としていてアピールしている方もいます。
手続きから審査まであり、実際にもらえるまで半年以上かかることもあります。民間の生命保険と似たような流れとはいえ時間はかかりますが、生前給付保険を検討するにあたっては知っておくべきことです。
保障を1つに絞るという手も
まず終身保険のように貯蓄性の保険だと、将来保険金という形で戻るお金の積立になるので、掛け捨て型の保険に比べて高くなります。定期保険のような掛け捨て型に加入することで保険料は安く済みます。
また、保障内容が三大疾病の場合は広くカバーしていますが、心筋梗塞や脳卒中の場合、労務ができない状態が60日以上継続するなどの給付要件が厳しい保険も多いです。
そこで保障内容をがんだけに絞ることも考えられます。掛け捨て型がん保険としてはアフラックが一番有名で、30歳加入であれば月額2,000円前後ぐらいの保険料で済みます。
がんの場合、先進医療による治療を行うことも考えられ、この場合は健康保険が適用できず高額な医療費が見込まれますので、そういう意味でも保険に入る価値はあると言えます。
先進医療特約は月額で100円もかからず、特約付きのがん保険なら生前給付保険や三大疾病保険よりも安く済みます。
がん保険の注意点としては、がんの中でも悪性新生物(転移の可能性があるもの)は対象にするが、上皮内新生物は保障の対象としない保険もあります。この点は保険を契約する時によく注意しておきましょう。