海には見たこともないような珍しい魚がいますが、日本近海にもあまり見かけない奇妙な魚がいます。
どんな風に奇妙かと言えば、なんと「胸に足が付いている魚」が存在しているのです。
その魚は「ホウボウ」という変な名前をしていて、種類としてはカサゴの親戚のような魚です。
海を歩く魚ホウボウ
カナガシラ、キミウオなどと、地方によって別名で呼ばれている地域もあります。(画像はセミホウボウです)
ホウボウは頭が大きく、しっぽに向けて細くなっていく体型で、大きくなると40センチほどの大きさになります。
この魚は日本の近海を含む、北東アジアの海の浅瀬から水深数百メートルの海底まで広く生息しています。
ホウボウの特徴としては大きな胸びれが付いていること、そして胸びれの一部が足として機能することが特筆できます。
大きな胸びれは体の大きさと比べても大きく、広げると蝶々のように色彩が鮮やかです。
ホウボウの足は左側に3本右側に3本の、計6本あり、エビの足のように細長い形状をしています。
胸の6本の細い足を使って、海底を器用にヨチヨチと歩いて進むことができます。
ホウボウは泳げるのになぜ足が必要?
ホウボウは泳ぐことができるのに、どうして足が必要なのかと不思議に思われます。
これは海底にとどまって、他の魚から身を隠したり、餌を取るために胸びれを足に進化させたものと考えられます。
ホウボウは歩く姿がとても珍しく愛らしいことから、日本の水族館には、ホウボウを展示している水族館が各地にあります。
水族館で上の画像の様な魚を見た事があるのではないでしょうか。
ホウボウという名前についても、その姿と同様に不思議な感じを受けます。
これはホウボウが海底を「方々」歩きまわるという特徴を持っていることから、名付けられたと言われています。
または釣り上げたときに浮袋を使って鳴き声を出すことができるので、その鳴き声からホウボウになったとも言われます。
このホウボウ、料理にしてもとても美味しく召し上がることのできる魚です。
刺し身にすることは勿論、煮付けにしても、干物にしても、そのまま塩焼きにしても美味しくいただけます。
ホウボウは一年中釣る事が出来る魚で、冬が一番獲れる時期です。