環境破壊?ダムを建造して自然を作り替えるビーバー

人間が自然の中に何か巨大な施設を造ってしまうと、環境破壊だ何だと騒がれてしまいます。

しかし動物の中にも、大きく自然の生態系を作り替えてしまう建設者がいました。

その名は「ビーバー」。ビーバーといったら、モフモフとした体に大きな前歯が付いている、巨大なネズミみたいな動物ということは知られています。

大きくなると130センチ、30キロにもなり、アメリカ大陸とユーラシア大陸の森林に生息しています。

葉っぱや樹皮を食べる草食動物で、食用とするために巨大な樹木をかじり倒すこともあります。

家を作る前にダムを作る

家を作る前にダムを作るビーバー

ビーバーは人間が驚く以上に、とんでもない知恵を身につけている動物です。

ビーバーは自分の家を造るとき、まず大きなダムを造ることから始めます。

森に小川が流れている場所を選び、樹木の枝や石や泥によって堰き止めてダムとします。

巨大なダムになると数百メートル規模に及ぶことになり、周辺の生態系を大きく変えます。

 

そしてダムの中に樹木などを積み上げることによって頑丈な家を造ります。

こうして出来た家の出入口は水中に作られて、外敵から身を守るような構造になっています。

もし何らかの事態が起きても、水中に逃げることで難を逃れるのです。

 

そもそも水深のある水に囲まれているので、野生のオオカミなどの天敵はビーバーの家に近づくことすらできません。

深い森のなかに池があって樹の枝が無数に積み上げられている場所であれば、そこがビーバーの建設したダムと家です。

 

川の水位が上下すれば、その水位に合わせて住居の高さやダムを作り替えます。

ビーバーは子供を産むと、こうしたダム建設の技術を子供に教えることも知られています。

こうしてずっとビーバーは、太古の昔から森の建設者としてあり続けてきました。

 

人間の他にも自然の環境を変え、建物をつくることのできる生物がいるとは驚くべきことです。

アメリカではビーバーのダムが決壊した事で大洪水が起こった事もあり、かなり大規模なダムを作るビーバーもいるようです。