映画化されたおすすめ小説を紹介!(悪人、OUT、告白、八つ墓村、黒い家)

映画化されたおすすめ小説を簡単なあらすじと共にランキング形式で紹介しています。

映画から見るのも良いですし、原作の小説から見るのもオススメです。

5位:「悪人」・吉田修一

おすすめ小説、悪人

主人公の裕一が、出会い系で知り合った佳乃を絞殺してしまうところから物語は始まります。

被害者の家族と被疑者の家族の苦しむ様子がとても上手く描かれていて、胸を締め付けられるような感情を抱きました。

出てくるセリフはすべて博多弁なのですが、それがまたリアルさを増していて良かったです。人を殺した主人公は本当に悪人なのか考えさせられる小説でした。

4位:「OUT」・桐野夏生

おすすめ小説、OUT

弁当工場で夜勤勤務の主婦たちのある出来事を描いた物語です。

主婦たちはそれぞれに悩みを抱え、ある一人の主婦が夫を殺害したことをきっかけに大きく物語は動いていきます。

 

OUTにでてくる4人の主婦はそれぞれに強烈な個性があって、買い物依存症、介護、家族問題などで悩みを抱える主婦たちの心情が読んでいる側に上手く伝わってきました。

「あーこういう人いそう」と現実の世界にも存在しそうな人物像を作り出していて物語にすっと入り込めました。

主婦から女に変わっていく様子も上手く表現されていて、最後までハラハラしながら見ることができました。

3位:「告白」・湊かなえ

おすすめ小説、告白

クラスメイトに自分の愛娘を殺された女教師が、犯人に復讐するという衝撃的な内容の物語です。

登場人物がたくさん出てきますが、それぞれに視点を合わせた書き方をしているので、場面が切り替わるように進んでいきスラスラと読むことができました。

 

主人公の淡々とした話し方が感情がないようにも見えますが、凄まじい憎しみが読んでいる側に伝わって来るのが分かりました。

物語の中間部分では殺人を犯した生徒の苦しみや後悔なども書かれていましたが、登場人物の髪を洗っていない臭いや格好から感情を読み取ることができたのは良かったです。

ラストは想像以上のとんでもない終わり方で、読み終わった後も色々と考えさせられる小説でした。

2位:「八つ墓村」・横溝正史

おすすめ小説、八つ墓村

八つ墓村は昔から有名な作品なので知っている方も多いと思います。

私自身八つ墓村は小さい頃から知っていましたが、勝手に堅苦しく難しそうな小説だというイメージを持っていて読んでいませんでした。

しかし、ある時にふと読んでみようと思い八つ墓村を読みましたが、物語、登場人物、ストーリー展開どれをとっても素晴らしく、一気に八つ墓村の世界へと引き込まれていきました。

八つ墓村で起こる連続殺人事件を祟りや呪いのように恐れる村人、犯人を見つけようと奮闘する探偵など、小説の中に少しホラー要素も取り入れた内容がいい雰囲気を出しています。

1位:「黒い家」・貴志祐介

おすすめ小説、黒い家

黒い家は保険会社に務める若槻という男が主人公で、ある自殺をほのめかす女性からの電話がきっかけで恐怖の世界へと引きずり込まれる内容の小説です。

作者は以前に保険会社に勤めていたことから、保険会社の裏事情にとても詳しくすごく細かい内容で保険会社に訪れる客とのトラブルや解決に至るまでが良く描かれていました。普通の人には書けない内容だと思います。

主人公の若槻にある客から名指しで自宅まで呼び出される場面があるのですが、自宅周辺の異様な雰囲気や呼び出した男の不可解な挙動などが恐怖を倍増させていました。黒い家は若槻とある夫婦のやり取りが非常に面白かったです。

夫婦は不気味で執念深く残忍なのですが、セリフからはその異様さが上手く伝わってきました。

心理学やサイコパスなどの内容も絡ませていて、とても深い物語だったと感じました。

 

ホラーとミステリーが合わさったような小説でしたが、幽霊や妖怪よりも人間のほうがよっぽど恐怖だという事を感じました。

前半部分は保険会社の説明や事情などの内容が多かったので淡々と進んでいる感じがしましたが、後半は一気にラストまで駆け抜けて、読んでいる方は心の中がドキドキハラハラして本当に面白かったです。

読み終わった後も、黒い家の恐怖が私の中にしばらく残っていました。