広島県の山の中、西中国山地国定公園内に位置する三段峡(さんだんきょう)は、日本百景・特別名勝になっている美しい渓谷です。
三ツ滝・三段滝・二段滝・猿飛・黒淵の5ヶ所の観光スポットを含む全長約13キロに及ぶ区域が名勝に指定されています。平成27年にはフランスの旅行誌「ブルーガイド」で三ツ星を獲得しました。
三段峡の最大の見どころ、黒淵まで遊歩道を歩く
三段峡散策の最大の見どころは、三段峡の正面口から2.5km程の比較的近い場所にある黒淵(くろぶち)です。
黒淵に至る道中は滝や渓谷、沢など様々な風景が繰り返し現れ、荒々しい滝の様子や秘境ならではのひっそりとした静寂を楽しむことができます。
両側に切り立った崖が続き、清流のせせらぎが崖にこだまする黒淵は秘境感たっぷり。どこまでも澄んだひんやりとした空気が気持ちよく感じられるのは夏ならではです。
遊歩道から対岸に渡る船がでていて、対岸にある黒淵荘では食事や休憩をとることができます。
また、付近には旅館やホテルもあるので、三段峡散策の拠点にすることもできます。三段峡の見どころは多く距離も長いので、じっくりと観光を楽しむには宿を取ることをおすすめします。
秘境中の秘境、猿飛から二段滝へ舟で渡る
三段峡の最奥に位置するのが「猿飛」と「二段滝」で、狭く切り立った岩が両側から迫り、まるで洞窟のように見えます。一説には岩と岩の間を猿が飛び交っていたから猿飛と言う名前がついたと言われています。
その名の通り高さおよそ20m、幅は狭いところでは2mという峡谷は押しつぶされそうなほどの迫力があります。
この峡谷は徒歩では行けないので、渡し場から猿飛を通って二段滝までを船で渡ります。この船は水路に渡されたロープを手で辿りながら進む船で、ゆっくりと渓谷を眺めるのにちょうど良いスピードで渡ることができます。
モーターもオールもない船なので、周囲の木々のざわめきや沢を流れる水音、猿飛の奥にある二段滝の瀑音など、自然の音がとてもよく聞こえます。
訪れるにはやはり夏がおすすめ!
渡船は冬季には運行しないので観光シーズンは初夏~晩秋ということになりますが、周囲の木々が生い茂り、ひんやりとした空気が心地よい夏がおすすめです。
まさに秘境といった趣のある切り立った崖がそびえる渓谷。訪れるのは大変ですが、自然の美しさを存分に感じさせてくれる場所です。
秘境好きやトレッキングを楽しみたい人にはぜひ訪れて欲しいお薦めスポットです。付近には温泉もあるのでゆっくり身体を休める事も出来ます。