スマートフォンの料金を節約するために、いわゆる格安SIMカードを使ったデータ通信を利用することは、徐々に一般的になってきました。
このシステムを使って自宅の固定電話を送受信することもできますので、やり方を説明します。
ひかり電話の宅内機器の種類の確認
まず、自宅の固定電話としてNTT東日本・西日本の『ひかり電話』を利用している必要があります。
ADSLや通常の固定電話では利用できません。これは、ひかり電話の利用にともなってNTTから貸与される回線終端機器についているルータやVPN、電話の内線の管理機能を利用するためです。
逆に、家の電話がひかり電話であれば、ほとんどの人が手持ちのスマートフォンでこのシステムを導入できることになります。
ここ2~3年の間にNTTが貸し出しを開始しているほとんどの機種では、ファームウェアのアップデートにより必要な機能を持つようになりました。
スマートフォンのVPN機能の確認
Androidが2.3.3以上なら、L2TP-VPNのプロトコルを使ってVPNで接続する機能を持っています。
この機能とデータ通信を利用して、自宅のひかり電話のルータとのあいだにVPNでの通信を確立することになります。
スマートフォンへのSIPクライアントの導入
SIPクライアントは、簡単に言うと「電話アプリ」です。
スマートフォンとの相性によって使えないものやハウリングがかかるものがありますので、無料のものを中心にいくつかインストールしてみましょう。
代表的なものは「CSipSimple」や「Zoiper」です。
まず自宅の無線LANを利用している時にこれらのソフトを利用して、スマートフォンを自宅の内線電話として利用できればVPN接続でもそのまま使えます。
NTTのウェブサイトで推奨しているSIPクライアントは「Agephone」ですが、これはバッテリーの消費が激しいようです。
ひかり電話のルータの設定
設定についてここでは詳しく紹介しませんが、『機種名 VPN 設定』などのキーワードで検索すると詳しい情報を得ることができます。
ひかり電話のルータの設定では、まずL2TP-VPNサーバとしてVPN接続を受け付けるためのパスワードの設定と、SIPクライアントをインストールしたスマートフォンを内線電話として動作させるための番号とパスワード等の設定を行います。
スマートフォンの設定
スマートフォン側では、自宅のひかり電話のルータにVPN接続できるようVPNの設定を行います。
必要に応じて、タップ一回でVPN接続を呼び出せるアプリを別に入れると便利です。
設定が正確なら、格安SIMカードを利用したデータ通信とVPNを利用して自宅のひかり電話のルータに接続できています。
このときに適当なSIPクライアントを動作させれば、自宅の内線電話として電話に出たり電話をかけたりすることができるのです。
ボイスワープの通話料が不要になるメリットもあるので試してみるといいでしょう。