【書評】コンビニ人間、代体、阪急電車のあらすじや感想、小説レビュー

コンビニ人間(村田沙耶香)

毎月数冊の小説を読んでいるので、読んだ小説のあらすじや感想、レビューを当サイトで紹介しようと思います。

今回は先月(2016年12月)に読んだ「コンビニ人間」「代体」「阪急電車」「ゲーム・チェンジャーの競争戦略」を紹介します。

コンビニ人間(村田沙耶香)

コンビニ人間(村田沙耶香)

他の人と少し変わった主人公「恵子」はコンビニでバイトをする事に生きがいを感じ、大学生の時に始めたコンビニで18年間勤める。

大人になった恵子は周囲から「結婚はしないの?」「ずっとコンビニでバイト?」「就職はしないの?」など『変わった人』として見られてしまう・・・。

コンビニ人間は芥川賞を受賞した作品で、作者の村田沙耶香さんはバイトをしながら書き上げたそうです。ページ数は151ページとかなり読みやすいです。

コンビニ人間の感想・書評

コンビニ人間を読んで感じたのは「『普通』という言葉の気持ち悪さ」と「幸せとは何か」ということでした。

主人公の恵子は考えが合理的で、アスペルガー症候群というかサイコパスというのか、考え方が少し変わっています。

変わった恵子に対して普通の人は「結婚は?」「コンビニでバイト?」と疑問を投げかけますが、このやり取りはフィクションの世界だけではなく実際に聞かれることでもあります。

この言葉の裏には「(普通30過ぎたら結婚すると思うけど)結婚は?」「(普通30過ぎたら会社に勤めてると思うけど)コンビニでバイト?」といった感じで、見えない『普通』がついていたりします。

「一般的に」「普通は」「大多数は」という言葉を使うと、多い方に属している自分は正しいと思うのかもしれませんが、考え方や幸せの価値観は人それぞれなので、「普通は○○」というを言葉を使うのは避けるべきだなぁと戒めにもなりました。

 

代体(山田宗樹)

代体(山田宗樹)

テクノロジーが進歩した日本が舞台で「代体」と呼ばれる科学技術が使われている。

「代体」は病気や大きな事故をした時に意識を転送できる代わりの体で、意識を転送することで実際の体は治療に専念できる便利な科学技術。

この代体ビジネスの裏では恐ろしい事態が起きていた・・・。

代体の感想・書評

中盤は急展開で終わりはどうなるのだろう?と思いながら読み進めましたが、感動する終わり方で鳥肌が立ちました。

初めのページに書かれていたポエムの意味も分かり、読み終わった後は「良い小説を読んだなあ」という感覚になったおすすめの小説です。

 

阪急電車(有川浩)

阪急電車(有川浩)

今津線の8つの駅が舞台となり、電車内で様々な出来事起こります。

人との関わりで悩みが解決したり、新たな出会いがあったりと多くのエピソードが展開されます。

映画もされた小説で中谷美紀や戸田恵梨香、有村架純、芦田愛菜、勝地涼、相武紗季、鈴木亮平など豪華なキャストが出演しています。

阪急電車の感想・書評

阪急電車は電車に乗り合わせた人との出会いによってそれぞれが前進していきます。人それぞれ悩みを抱えていて、ちょっとした出来事や出会いで人生が変わっていくのだなぁと感じました。

小説と映画どちらも見ましたが、原作を読んでから映画を見るのが良いと思います。本当に良い小説でした。

 

ゲーム・チェンジャーの競争戦略

ゲーム・チェンジャーの競争戦略

ゲーム・チェンジャーの競争戦略はビジネス書になりますが、様々な企業の成功事例や失敗例がたくさん紹介されていて面白いです。

新規事業の開拓やライバルの出現にどう対応するのかなど、著者の主観ではなく実際に起きた出来事が多く書かれています。また、企業がどのような事業で儲けているのか、儲けの仕組みついても詳しく触れられています。

難しいビジネス書というわけではなく、分かりやすく説明されているのでかなり読みやすいです。