日本一の長さを誇る川といえば、長野県から新潟県をへて日本海へと流れる信濃川です。信濃川の全長は、367キロメートルにものぼります。
二番目は関東地方を流れている利根川で、長さは322キロメートルもあり利根川の流域面積は日本一です。
大きな川は雄大で、地元の人は誇らしげに語る印象があります。
信濃川や利根川は知名度があるのでほとんどの方が知っていると思いますが、反対の「日本一短い川」がどこにあるのか知っている方は少ないと思います。そんな日本一短い川がどこにあるのかを紹介しています。
日本一短い川「ぶつぶつ川」
その川は、太平洋の熊野灘に面している、和歌山県那智勝浦町にありました。
その名は「ぶつぶつ川」といって、川の長さはたったの13.5メートルしかありません。
13.5メートルしかなくても2級河川として認定されている、ちゃんとした川です。
現地のぶつぶつ川のほとりには、日本一短いことを記した案内板が立っています。
ぶつぶつ川という奇妙な名前は、泉から水がふつふつと湧き上がってくる様子を表したもので昔からこう呼ばれていました。
この地域ではふつふつのことを、ぶつぶつと言うのかは分かりませんが、「ふつふつ」という言葉が濁って「ぶつぶつ」になり『ぶつぶつ川』と名付けられたのだと思います。(憶測です)
川の起点になっているのは、町ののどかな農村地帯にある小高い石垣の隙間です。
水が確かにふつふつと、いや、「ぶつぶつ」と湧き上がってきています。
水源の泉はきれいに石で囲われていて、ぶつぶつ川の案内板が取り付けられています。
水源の近隣には普通に住宅が建っていて、水源の先をたどると住宅の下を流れているようにも見えます。
土地の擁壁に沿って、13.5メートル下流の粉白川に合流して流れは終わっています。
この川では地元の人が野菜を洗ったりしていて、かなり綺麗な水が流れています。
すごく短い川なのですが、訪れる人が後を絶たず既に町の名所になっています。
短い川でも日本一短いともなれば、地元の人はちょっと誇らしげになりそうな感じがします。
那智勝浦町といえば、世界遺産に含まれる熊野那智大社が鎮座している土地です。
ぶつぶつ川はそんな熊野の新名所として、今日もぶつぶつと水を湧き上がらせています。