京極夏彦のおすすめ小説をランキング形式で紹介しています。
京極夏彦作品は推理や妖怪ものが多く、見た事はないけど聞いた事がある!という作品も多いのではないでしょうか。
5位:「姑獲鳥の夏」
5位は京極夏彦さんのデビュー作品でもある「姑獲鳥(うぶめ)の夏」です。
姑獲鳥の夏といえば、京極夏彦先生がアマチュア時代に書き上げた長編推理小説です。
編集部に届いてから3日で出版が決まったというだけあって、内容は非常に濃厚で面白いのですが、何といっても姑獲鳥の夏の最大の魅力はそのストーリーの切なさにあります。
京極夏彦先生の作品を読んだことがない人は、「京極夏彦の本って切ない要素も含んでるの?」と驚かれるかもしれませんが、京極先生の描く物語は怖いだけでなく、毎回非常に悲しくて美しく、切ないのです。
姑獲鳥の夏も他の作品に勝るとも劣らない「切ない」作品ですし、私は夏になると必ず、姑獲鳥の夏を開きます。
ミステリーとして読めば、見たこともないどんでん返しに思わず「こんなオチ、アリ!?」とビックリすること間違いないのですが、純愛ものとして読むと、切ない物語としても読むことができるリバーシブル小説なので、「怖いだけのミステリーはもう飽きた」という方はぜひとも姑獲鳥の夏を読んでみてください。
4位:「死ねばいいのに」
衝撃的で一度見ると忘れられないタイトルなので、「京極夏彦の他の作品は知らないけど、死ねばいいのには知ってる」という方も多いかもしれません。
「死ねばいいのに」は京極夏彦先生の意欲作であり、他の妖怪小説とはまた違った魅力にあふれている一冊となっています。
この作品のすごいところは何と言っても、主人公のプロフィールが何回読んでも不明瞭なのに、何度読んでもなぜか共感してしまうという点。
主役の顔がここまで見えない小説も珍しいのですが、死ねばいいのには構成が非常に上手いので、なぜか読んでるうちに主人公に共感を覚えて一喜一憂しまうのです。
「この作品のタイトルは倫理的ではない、ニガテだ」という人もいるようですが、この小説を読めば「死ねばいいのに」という言葉の裏に隠された人間の深層心理に気づくことができると思いますし、それと同時に死ねばいいのにと言われても傷つかないハートを手に入れることができると私は思います。
3位:「オジいサン」
他のミステリーとはまた違う一冊なのですが、「オジいサン」は非常に癒やされる作品です。
ただ、オジいサンの日常をつらつらと語っているような内容ではあるのですが、私はこういった作品もかなり好きでした。
ただ怖くて難解なミステリー作品に疲れたのであれば、こういった作品がオススメです。
2位:「鬼談」
ファンタジー的な要素は皆無ですが、鬼談を読むと人間の根源的な恐ろしさを思い知ることができます。
「概念としての鬼」を書いた作品と言えば分かりやすいかもしれません。
京極夏彦先生の作品の中ではいまいち知名度が低いのですが、好きな人は好きだと思います。
1位:「魍魎の匣」
やはり1位は知っている方も多いであろう「 魍魎の匣(もうりょうのはこ)」です。
京極夏彦先生のファンはこれを1位に掲げる方が多いのですが、私もやはり魍魎の匣が一番好きです。
魍魎の匣は「少女を箱に詰めたい」という歪んだ欲望に取り憑かれた一人の男の物語です。
この男性は物語の最大のトリガーであり、あらゆる不幸の種として存在しているのですが、物語の後半になるにつれこの男がどうしてそのような偏愛に目覚めてしまったのかということが紐解かれていきます。
魍魎の匣は色々な人の歪んだ愛、または執念などにスポットライトを当てているのですが、それぞれの心理を事細かに描写しているのでついついのめり込んで読んでしまいます。
京極夏彦の入門書としても魍魎の匣は非常にオススメですし、一読すれば誰もがファンになってしまうような小説なので、「京極夏彦を読んでみたいけど何から読んだらいいかわからない」という方は、ぜひとも魍魎の匣を手に取ってみて下さい。
魍魎の匣は図書館でも借りられるようになっています。
文庫本バーションは上巻下巻合わせて1000ページ以上あるのですが、読み出すと面白いので一気に読めてしまうはずです。