東北地方は夏の時期でも比較的涼しい地域ですが、最近では猛暑日を越え暑い日が続く地域も増えています。
特に岩手県は盆地ということもあり、気温が上がることで知られています。その中でも、世界遺産「平泉」の玄関口である、岩手県一関市内でさらに「涼」を楽しめるスポットを4つ紹介します。
涼しげな渓流と「空飛ぶ団子」の厳美渓
初めに紹介するのは「厳美渓(げんびけい)」です。東北新幹線一ノ関駅から岩手県交通バスが約1時間に1本あるので、車を持っていない方でも問題ありません。
磐井川(いわいがわ)が岩場を長年かけて侵食した渓流は、川のたもとまで行くことができ、そこで渓流の涼しげな流れを楽しむことができます。
そして、お楽しみは「空飛ぶ団子」として知られている「かっこう団子」。対岸のお店とロープで張られた無人の販売所で、ロープに付いている籠にお金を入れて合図を送ると、籠がスルスルと動きだしお店の方にゆっくりと動いていきます。
そして、今度は団子とお茶がスルスルとこちら側に向かってきて、こちら側に到着後、商品(団子)を受けとります。届いた団子は、すぐに隣の東屋で食べることもできますし、勿論お持ち帰りもできます。
渓谷美を愛でながら涼しい舟下りができる猊鼻渓
東北新幹線からJR大船渡線に乗り換え、猊鼻渓(けいびけい)駅で下車し、約10分歩いたところに「猊鼻渓」があります。
是非体験していただきたいのが「舟下り」で、船頭の棹さばきだけで動く無動力(往復無動力は全国唯一)で舟が進みます。
比較的浅い砂鉄川の透明度の高い水を泳ぐ魚たちや、切り立った岸壁の形や模様、自然の緑を楽しみながら終点まで30分くらいかけてゆっくりと涼むことができます。
終点の先ではちょっとしたゲームを楽しむことができます。川の対岸の岩に開いた穴に向かって「運玉」という玉を投げ、見事入れば願い事が叶うかもしれないと言われています。
帰りも無動力の舟で約20分、船頭の方のトークと「げいび舟唄」などの歌を楽しみながら発着場まで戻ります。
ちなみに、運玉が穴に入らなかった方向けに「運団子」と称するお土産があり、これは必ず人の口という「穴」に入るので、必ず願いが叶いますと船頭さんが宣伝してくれます。
隠れ涼スポット幽玄洞(ゆうげんどう)
鍾乳洞といえば広島県の秋吉洞や、岩手県岩泉町の龍泉洞が有名ですが、猊鼻渓のほど近くにも「幽玄洞」という鍾乳洞があります。
一ノ関駅からは「岩手県交通」バスが1時間に1本程度出ていますが、猊鼻渓観光のついでということであれば猊鼻渓駅前に戻り、「東磐交通」バスに乗るか、タクシーでも5分程度で着くことができます。
幽玄洞は「日本最古の鍾乳洞」と言われており、常に洞内の温度は約13度と夏服ではちょっと寒いくらいの温度になっているので、避暑にはピッタリです。
規模はそれほど大きくはありませんが3億5千万年前とされる地層を見たり、化石跡を見たりしながらゆっくりと観覧すると30分~1時間程度は涼しい洞の中を楽しむことができます。
隣接する資料館では、実際に発掘された古代生物の化石などの展示を楽しめます。
一関(いちのせき)名物の「餅」を味わう
ちなみに、岩手県一関市の名物料理といえば「餅料理」。餅料理を味わうのであれば一関市花泉町がオススメです。電車ではJR東北線仙台方面の3つ目、花泉駅で下車しましょう。
おすすめなのが「花と泉の公園」内にある「レストランはずみ」。営業終了が17時と早いので、ランチに食べるのが良いかと思います。
豊富な餅の種類で有名ですが、是非味わっていただきたいのが「ふすべ餅」。すりおろしたごぼうに鶏肉(昔は「キジ肉」だったそうです)、唐辛子が入った汁気のあるものの中に餅を入れて食べます。
ごぼうの風味と唐辛子の辛み、餅のまろやかさがマッチして病みつきになる味です。
なお、「花と泉の公園」には「ベゴニア館」が併設されているのでそちらも楽しめます。
平泉観光の翌日の楽しみとして、岩手県一関市で「涼」と「食」をエンジョイしてみてください!