映画「聲(こえ)の形」を見てきました。聲の形の簡単なあらすじと個人的な感想、ネタバレを書いていきます。
原作を見ずに映画を見てきましたが、原作を見ていない方でも十分楽しめる作品でした。
「聲の形」の簡単なあらすじ
聴覚障害を持つ小学6年生の西宮 硝子(にしみや しょうこ)は、特別支援学校ではなく普通の小学校に転校します。
聴覚障害を理由にいじめを受けてしまう西宮と、いじめの主犯格である石田 将也(いしだ しょうや)が中心となって物語が進んでいきます。
そんなある日、西宮に対してのいじめが学校側にバレてしまい、それを機にいじめの主犯格であった石田がクラスメイトから非難され、いじめを受ける側になってしまいます。
そんな石田に対しても見捨てず優しく接してくれる西宮でしたが、西宮は転校をして学校を去っていきます。
西宮に対して謝罪と感謝の気持ちを伝えるために手話を学び、高校3年生になった石田と西宮は再会を果たします。
「聲の形」を観た感想・ネタバレ
ここからは僕の感想をつらつら書いていきますが、若干のネタバレがあるのでご注意ください。
ちょっと前に「君の名は。」も見ましたが、「君の名は。」と比べると聲の形は『響く人にはかなり響く映画』だと感じました。
「君の名は。」は万人にうける映画という印象ですが、聲の形は「いじめ」「自殺」「障害」といったテーマを扱っているので、過去にいじめを受けていた人や自殺を考えたことがある人、障害を持つ人やその家族にとっては、深く心に響く映画だと思います。
もちろん、どんな人でも楽しめて感動する作品に間違いはありません。「いじめ」「自殺」といった重いテーマを扱い、アニメでありながらどこかリアリティのある作品でした。
いじめをする人は幸せになれない
小学生の時に硝子をいじめていた将也でしたが、自分がいじめられる側になって初めて、どれだけ自分が酷いことをしていたのかを理解します。
でもこの「人の痛みを知る」というのはかなり大切で、痛みを知ったからこそ将也は人に優しくできる人間になりました。
自分の行いを責めて過去の過ちを背負い、将也が5年かかったように、いじめを行った人は幸せになるまでかなりの時間がかかるのかもしれません。
自分がした悪行は必ずかえってくるんですね。物語の最後はハッピーエンドでしたが。
気持ちを伝える難しさや言葉の重み
聲の形では気持ちを伝える事の難しさだったり、言葉の重み、言葉が人に与える影響が繊細に描かれていると感じました。
言葉で人を傷つける事もあれば、将也が長束を助けた様に、言葉一つで人を助け親友になることもできます。(長束が一方的な気もしますが)
小学生の時の将也たちが、障害を持つ硝子に対してうまく気持ちを伝える事が出来なかったり、硝子も上手にコミュニケーションがとれなかったりと、相手に対して自分の気持ちを素直に伝えることはとても難しい事です。これはアニメだけの話ではなく、実際に感じる事でもありますよね。
硝子が将也に対して、好きという気持ちを手話ではなく声に出して伝えたシーンは個人的に大好きです。
普通の死と自殺は全くの別物
聲の形の大きなテーマとして「自殺」という重いものがあります。
いじめや人間関係の悩みから自殺を考える硝子と将也ですが、将也が自殺を考えている事を知った将也の母、硝子が飛び降りようとした事を知った硝子の母や結絃はひどく悲しみます。
作中で硝子と結絃の祖母(いと)が亡くなりますが、そこでの死は「仕方がないもの」として受け入れられている印象がありました。
しかし、自殺となると残された家族は悲しみの他に「どうして助けれなかったのだろう」という無念さから自分を責めてしまいます。
結果的に硝子も将也も生きているわけですが、この映画を見て「何があっても自殺だけはしてはいけない」というメッセージを受け取った気がします。
川井さん性格悪すぎない?
硝子に対していじめをしながらも、いじめを指摘されると涙を流して無罪を訴えたり、将也が過去にいじめを行っていた事を大きな声で周囲にバラしたりと、かなり最悪な川井さん。
「こういう人いたなー」と思いながら見ていましたが、登場人物の中で一番嫌いなタイプでした。顔は可愛いんだけどね・・・。
原作を見たくなる
今回原作を見ずに映画を見ましたが、登場人物の性格だったり話の流れなど、原作を知らなくても十分楽しめました。
コミックは全7巻なので読みやすいですね。
「聲の形」と「君の名は。」両方を見るべき
内容が全く違うため比較できないのですが、個人的に「君の名は。」と「聲の形」両方を見た方がいいと思います。
「君の名は。」は昔話やおとぎ話を見ている様な感覚で、見終わった後は何か喪失感の様なものがありましたが、「聲の形」はリアリティがあり、見終わった後は自分の中の考え方が変わる様な作品でした。
どちらも素晴らしい作品なので両方を見るべきなのですが、僕は僅差で「聲の形」の方が好きでした。